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展覧会ルノワール+ルノワール展

ルノワール+ルノワール展


ルノワール+ルノワール展
(左) ピエール=オーギュスト・ルノワール 《田舎のダンス》(部分) 1882–83年
 © Photo RMN/H. Lewandowski/digital file by DNPAC
(右) ジャン・ルノワール 『ピクニック』 1936年
 Paris, Collection Cinémathèque française, fonds Femis; D.R.
 印象派などヨーロッパの近代美術の巨匠については、過去100年の間に世界中で数多くの展覧会が開催されてきました。近年では、その展示に様々な工夫や作品理解のための斬新な切り口が提示され、従来とは異なる新しい鑑賞の視点を探る実験的な展覧会も開催されています。今回の展覧会「ルノワール+ルノワール」もこうした実験的な試みの一つであり、2005年にパリのシネマテーク・フランセーズで実施された展覧会を基に、日本での開催のために新たに再構成した内容となります。
 今回の展覧会では、印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841–1919)と、その次男でフランスを代表する映画監督ジャン・ルノワール(1894–1979)を取り上げます。父ルノワールは1874年の第1回印象派展への出品以降、クロード・モネと並ぶ印象派を代表する画家として近代美術史に名を残すとともに、身近な人物や裸婦を暖色で描いたその作品は多くの人々から愛され、世界各地の美術館で所蔵されるに至っています。幼い頃から父のためにモデルを務めた息子ジャンは、第一次世界大戦での戦傷の療養中に映画に興味を持ち、1920年代から映画製作の道に進みます。『大いなる幻影』(1937)や『ゲームの規則』(1939)、『フレンチ・カンカン』(1954)など、人間の持つ多様性への深い眼差しに支えられたその作品は高い評価を獲得し、ヌーヴェル・ヴァーグの旗手フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールなど後世の映画監督たちに多大な影響を与えました。
ジャン・ルノワール『草の上の昼食』
ジャン・ルノワール 『草の上の昼食』 1959年
© STUDIO CANAL IMAGE/tout droits réservés
 表現手法は異なりますが、ジャンの映画には父の絵画を想起させる場面が数多く登場します。映画における水や自然、外光への愛着、モデルの扱い方等から、ジャンが創作にあたって父の絵画から多くを得ていたことがうかがえます。両者の共通点を探るため、会場を「家族の肖像」「モデル」「自然」「娯楽と社会生活」の4つのテーマに分け、父の絵画と息子ジャンの映画の抜粋とを対比的に展示します。本展が試みようとしているのは、息子ジャンが父から受けた影響を明らかにすることではなく、息子であり映画監督であるジャン・ルノワールを通じて立ち現れてくる画家オーギュスト・ルノワールの作品世界であり、その作品に対する私たちとは別の視線を見出すことと言えます。
ピエール=オーギュスト・ルノワール《陽光のなかの裸婦》
ピエール=オーギュスト・ルノワール
《陽光のなかの裸婦》 1875年 オルセー美術館
© Photo RMN/H. Lewandowski/digital file by DNPAC
 印象派絵画の登場とほぼ同時期に発明された写真術と映画は、20世紀の主要な視覚メディアとなりました。これらの視覚芸術は、移ろい過ぎゆく自然や現実の時間を、どのように切り取り再現/表現するか、「画家=私」がどのように世界を視るのかという問題意識をその出発点において共有していました。19世紀の印象派絵画が提起した「私」と世界との関係性をめぐる問題は、20世紀の優れた映画においても継承され実践されています。息子ジャンが父オーギュスト・ルノワールから受け継いだもの、それは決して類似したモチーフではなく、世界に対するこうした眼差しではなかったでしょうか。
 オルセー美術館の全面的な協力により実現した本展は、同館所蔵のルノワール作品15点を含む国内外から集められた絵画作品約50点と、初期から晩年を網羅するジャンの12本の映画の抜粋で構成されます。



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関連イベント
ジャン・ルノワール 『恋多き女』
ジャン・ルノワール 『恋多き女』 1956年
Collection particulière © STUDIO CANAL IMAGE/TELEDIS/ELECTRA
COMPAGNIA CINEMATOGRAFICA
ジャン・ルノワール監督作品DVD上映
日時:5月21日(水)から、会期中の火~金曜日の開館時間内
場所:当館1階講堂
※上映日程はこちら

記念講演会
日時:5月20日(火)午後2時~3時30分
 (当日午前11時から整理券配布)
講師:マリアンヌ・マチュー
 (オルセー美術館 広報課
 国際関係担当責任者)
場所:当館1階講堂 聴講無料、先着100名
※フランス語。逐次通訳あり

関連シンポジウム「ジャン・ルノワールの現在」
日時:7月6日(日)午後2時~4時30分(当日午前11時から整理券配布)
パネリスト:
 藤井仁子(早稲田大学文学学術院専任講師、映画学)
 石田美紀(新潟大学人文学部准教授、映像文化論)
コーディネーター:青山勝(大阪成蹊大学芸術学部准教授、視覚文化論)
場所:当館1階講堂 聴講無料、先着100名

関連展示
キュレトリアル・スタディズ02:「オーギュスト・ルノワールとパリ・モード」

会期:5月13日(火)~7月21日(月・祝)
会場:当館4階コレクション・ギャラリー
特別協力:京都服飾文化研究財団
※コレクション・ギャラリー 平成20年度 第2回展示第3回展示第4回展示第5回展示


会期
平成20年5月20日(火)~7月21日(月・祝)

休館日
毎週月曜日
※7月21日(月・祝)は開館

開館時間
5月20日(火)~6月29日(日) 通常の開館時間(金曜日を除く)
 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
5月23日(金)~6月27日(金) 夜間開館(毎週金曜日)
 午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで)
7月1日(火)~21日(月・祝) 特別開館時間(毎日、休館日を除く)
 午前9時30分~午後7時(入館は午後6時30分まで)
※7月中は金曜の夜間開館(午後8時まで)は実施しませんのでご了承ください。

当展覧会の会期中ご来館の際には開館時間をイベントカレンダーにて
ご確認いただくことをおすすめいたします。(5月6月7月

主催
京都国立近代美術館、オルセー美術館、読売テレビ、読売新聞大阪本社

後援
フランス大使館、シネマテーク・フランセーズ

特別協賛
大和証券グループ

協賛
大日本印刷、損保ジャパン、非破壊検査、タケモトピアノ

協力
日本航空、日本通運

特別協力
京都服飾文化研究財団

観覧料

  当日 前売り 団体(20名以上)
一 般 1,500 1,400 1,400
大学生 1,100 1,000 1,000
高校生 700 600 600
中学生以下 無料 無料 無料
広報資料
チラシ  PDF形式(764KB)

(2008/04/25)


巡回先
Bunkamura ザ・ミュージアム 平成20年2月2日(土)~5月6日(火・祝)

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