教育普及ミュージアム・アクセス・ビュー Museum Access View 第16回鑑賞ツアー 実施報告
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ミュージアム・アクセス・ビュー
Museum Access View 第16回鑑賞ツアー 実施報告
- 日時:
- 2007年6月3日(日) 13:00~
- 集合場所:
- 京都国立近代美術館1階 講堂
- 実施場所:
- ギャラリー16、ギャラリー青い風、アートスペース東山、ギャラリーはねうさぎ、ギャラリーすずき、アートスペース虹、京都国立近代美術館、他
- 参加料:
- 500円(観覧料無料)
- 主催:
- Museum Access View (ミュージアム・アクセス・ビュー)
例年実施されているMuseum Access View(ミュージアム・アクセス・ビュー)による鑑賞ツアーは、今回「岡崎アート散策」と題して、6月3日(日)午後1時から、当館講堂を出発点として行われました。そのタイトルの通り、当館とその周辺に点在する6軒のギャラリーの中から、参加者が自由にコースを選択する形で実施されました。
このプログラムには、目の見えない人あるいは見えにくい人1名と、見える人2名で3名1組のグループを組み、合計9グループ・28名が参加しました。岡崎地区では、現代の美術を紹介するギャラリーを中心に、写真やインスタレーションなどの展覧会を鑑賞しました。
当館では、最終日の「福田平八郎展」において、4グループが鑑賞ツアーを実施しました。見える人の言葉によって、作品に描かれている対象や作品全体の印象などが説明され、視覚障害のある参加者が積極的に質問する光景も見られました。つまりこのプログラムは、言葉を使って美術作品を鑑賞するという試みと言えます。
視覚に障害のある人たちの中には、実は美術に関心があり、作品を鑑賞したいと願っている人がいることを、このプログラムを見学して改めて知る機会になりました。また作品を言語化することの難しさはもちろんのこと、このプログラムにおいては、特に言葉によって伝達され得る情報の重要性を実感しました。
鑑賞ツアーに当たっての注意点に、「静かに鑑賞しない」という項目がありました。ミュージアム・アクセス・ビューが現在まで行ってきた鑑賞ツアーは、視覚障害の人たちと作品の前で会話を交わすことによって、成立し実施されてきました。美術館の展示会場では静かに鑑賞しなければならない、という原則とも見なされがちなルールに、あえて疑問を呈するような、作品の眼前で他者と会話を交わすという行動は、鑑賞のさまざまな形態を提案しているように思われます。
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