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展覧会京都市立芸術大学創立130周年記念
  Trouble in Paradise/生存のエシックス: プロジェクト紹介

京都市立芸術大学創立130周年記念
  Trouble in Paradise/生存のエシックス: プロジェクト紹介


Trouble in Paradise/生存のエシックス」展の各プロジェクトを紹介します。
詳細は随時変更・追加いたします。

プロジェクトタイトル (作家あるいは担当者) 
水のゆくえ (担当: 中ハシ克シゲ+井上明彦)詳細
バイオミュージック/水・森・生命・音——疏水、平安神宮の庭、湖西の森の
フィールドワークに基づくプロジェクト (デヴィッド・ダン)
詳細
「蜂」プロジェクト (スサーナ・ソアーズ)詳細
遺伝子組み換え劇場 (クリティカル・アート・アンサンブル)  ※資料展示詳細
デモクラシーズ (アルトゥール・ジミェフスキ)  ※資料展示詳細
光・音・脳 (担当: 森 公一)詳細
関係概念としての知覚的自己定位の研究 (担当: 中原浩大+井上明彦)  ※資料展示詳細
盲目のクライマー/ライナスの散歩 (担当: 石原友明+中原浩大)詳細
Trans-Acting: 二重軸回転ステージ/浮遊散策——宇宙滞在・認知症・庭園・
発達障害の研究に基づくトポロジカルな時空と記憶形成の実験
(担当: 高橋 悟、松井紫朗)
詳細
宇宙庭 (担当: 松井紫朗、森本幸裕、井上明彦)  ※資料展示詳細
未来の家政学・Tea House of Robots (ミシガン大学: rootoftwo + PLY Architecture)詳細
水のゆくえ
担当: 中ハシ克シゲ+井上明彦

連鎖する水声 (担当: 中ハシ克シゲ)
琵琶湖疏水は明治の近代化と共に誕生しました。琵琶湖疏水のもたらす水は京都の渇水を解消しただけではなく、伝染病を防ぎ、 電気を生み出し、天皇が去った京都に輝きを与えました。美術館の横を流れる疏水を眺めながら、会期中にボランティア参加者により約2万5千枚の写真を繋ぎ合わせ“水”と関係の深い巨大なオブジェを造り上げるプロジェクトです。このプロジェクトでは、参加者相互のコミュニケーションの形成と制作への創意、そして制作を通じて生まれる一人一人の思考にも焦点が当てられます。

公開制作 参加者募集 (2010/05/28掲載)

連鎖する水声 連鎖する水声 連鎖する水声
© Katsushige Nakahashi


アクアカフェ @KCUA Café (担当: 井上明彦)

土は水によってかたちをなし、人は水によっていのちをつむぐ。京都の東端、美術館の横を流れる琵琶湖疏水は京都近代化の礎であり、今も市民の心身を潤している。他方、京都の西端では高速道路建設のために多くの民家や竹林が取り壊されている。そこから土約12トン、竹数十本を運び、疏水の水を使って、美術館の前庭に水を飲むための「アクアカフェ」をワーク・イン・プログレスとして構築する。アクアカフェはまた、 疏水によってかたちをなした岡崎の地を、身体・地形・生態系をつなぐ新たな視点からとらえ直すワークショップのプラットフォームとなる。

アクアカフェ @KCUA Cafe アクアカフェ @KCUA Cafe
© Akihiko Inoue

関連ブログ記事:
     http://report-on-tip.blogspot.com/search/label/岡崎チャンネル

バイオミュージック/水・森・生命・音——疏水、平安神宮の庭、湖西の森のフィールドワークに基づくプロジェクト
デヴィッド・ダン(David Dunn)

120年前の琵琶湖の生態形を保つ平安神宮苑や疏水、湖西に広がる立ち枯れの森とキクイムシなどの音収集を通して、生態システムとそれへのコミュニケーションについて探求するプロジェクト。手製のマイク作成ワークショップの後にフィールドワークを行う計画もある。

バイオ・ミュージック/水・森・生命・音——疏水、平安神宮の庭、湖西の森のフィールドワークに基づくプロジェクト バイオ・ミュージック/水・森・生命・音——疏水、平安神宮の庭、湖西の森のフィールドワークに基づくプロジェクト
© David Dunn

関連ブログ記事:
     http://report-on-tip.blogspot.com/search/label/デヴィッド・ダン
     http://report-on-tip.blogspot.com/search/label/岡崎チャンネル

関連リンク:
     デヴィッド・ダンのウェブサイト
「蜂」プロジェクト
スサーナ・ソアーズ(Susana Soares)

「蜂」プロジェクトでは、蜂の嗅覚を人間の医療診断器具として使用する。蜂は高度に発達した正確な嗅覚を持ち、肺がんや皮膚がん、糖尿病などの病気の臭いを嗅ぎ分けるように訓練することができる(とスサーナ・ソアーズは語る)。従来の医療機器の代替として蜂を使用するこのプロジェクトは、人間と動物の別な形での共生の提案ともなる。

「蜂」プロジェクト
© Susana Soares

関連リンク:
     susana soares :: scientific designer (スサーナ・ソアーズのブログ)
[資料展示]遺伝子組み換え劇場クリティカル・アート・アンサンブル(Critical Art Ensemble)
クリティカル・アート・アンサンブルは、「論争的生物学」と呼ばれるオルタナティブな抵抗の形式を私たちに提供してくれる。7段階の計画。1)遺伝子組み換え生産と生産物を脱神話化すること。2)人々の恐怖を取り去ること。3)批判的思考を進めること。4)エデン的ユートピアのレトリックを批判し攻撃すること。5)科学の殿堂の扉を開くこと。6)専門化の文化的境界を溶解すること。7)アマチュア主義への敬意の念を作り出すこと。
『分子レヴェルの侵入』2002
http://www.critical-art.net/books/molecular/

遺伝子組み換え劇場
関連ブログ記事: http://report-on-tip.blogspot.com/search/label/Critical Art Ensemble
関連リンク:クリティカル・アート・アンサンブル
[資料展示]デモクラシーズアルトゥール・ジミェフスキ(Artur Żmijewski)
アルトゥール・ジミェフスキはこれまで、少数者に注目し、私たちの固定観念を覆すような写真や映像作品を発表してきた。近年は、より積極的に社会と関わり、政治・出版活動を行う団体「クリティカ・ポリティチュナ」にも所属しつつ、アクティヴな介入を達成しようと試みている。《デモクラシーズ》では、各地で人々が公共空間において集会を開き、発言する様子が記録される。それぞれ全く異なった主張や背景を持つ人々の姿を通じて、民主主義が問い直される。

デモクラシーズ
© Artur Żmijewski
関連リンク:
Art in Liverpool.com: VIDEO: In Conversation: Artur Zmijewski and Sebastian Cichocki
光・音・脳
担当: 森 公一
「光・音・脳」は、光や音の体験がヒトにもたらす情動反応について、脳科学とメディアアートの方法を用いたアプローチによって、実証実験的に探ろうとする試みである。光と音の充満する特殊な環境に身を置いた鑑賞者(被験者)に対し、脳血流測定装置fNIRS(functional Near-Infrared Spectroscopy)による前頭葉の血流測定を行う。測定結果は瞬時に解析され、血流の変化に応じて色や音が生成変化し鑑賞者に与えられる。これはバイオフィードバック・システムとしての芸術体験である。また同時に、この体 験を通じて得られたデータは、情動と感情、情動と身体、情動と記憶などの諸関係について、新たな知見を深めるための資料となる。

光・音・脳 光・音・脳
© Koichi Mori

関連ブログ記事:
     http://report-on-tip.blogspot.com/search/label/インタラクティブシネマ

[資料展示]関係概念としての知覚的自己定位の研究担当: 中原浩大+井上明彦
テンプル・グランディン(Temple Grandin)考案のハグ・マシン、“adjacent world”や“security blanket”の概念(向井千秋宇宙飛行士)、微小重力環境下のライナスの毛布の研究(AAS:宇宙への芸術的アプローチ)などを検証考察し、地上環境におけるセキュリティ・ブランケットの機能を有する器具の試作を行う。

関係概念としての知覚的自己定位の研究
© Temple Grandin

関係概念としての知覚的自己定位の研究
© Chiaki Mukai
関連ブログ記事: http://report-on-tip.blogspot.com/search/label/テンプル・グランディン

関連リンク:
AAS 2001–2003: 微小重力環境の「ライナスの毛布」 —Security Blanket—
AAS 2001–2003: 向井千秋 宇宙飛行士インタビュー
盲目のクライマー/ライナスの散歩
担当: 石原友明+中原浩大

盲目のクライマー
手探りで切り立った山を登る。手がかりから次の手がかりへ、からだを重力に拮抗させながら一本の線を描く。夜と昼、上昇と下降、凸と凹とを繰り返す。盲目の身体がかたちを形成してゆくような場所の生成。

ライナスの散歩
関係概念としての知覚的自己定位の研究における、ライナスの毛布の機能を有する他形態の器具のひとつとして、よじ登る、くぐり抜ける、寝転がるなど様々な身体的行為を誘発し試行錯誤的に展開させていく装置を試作する。

盲目のクライマー/ライナスの散歩 盲目のクライマー/ライナスの散歩
© Tomoaki Ishihara/Kodai Nakahara
Trans-Acting: 二重軸回転ステージ/浮遊散策——宇宙滞在・認知症・庭園・発達障害の研究に基づくトポロジカルな時空と記憶形成の実験
担当: 高橋 悟+松井紫朗

2度の傾斜をもつ直径8m円形ステージの二重軸回転により、重力方向と身体軸感覚が混乱され、絶えず予測を裏切る微妙な「NO(W)HERE感覚:イマココニアルと同時にドコデモナイ」が生み出される。これら諸感覚の統合、自己の変容、空間に於ける自己定位、身体図式など経験/認識の構造と脳内活動の変容について、近赤外光を使った光トポグラフィを使用し計測する。また、宇宙滞在・認知症・庭・発達障害に関わるワークショップを通して知覚システムを更新し、それらの「関係に動揺」を与えるプロセスを創造に於ける原理として捉え、その可能性を追求する

Trans-Acting: 二重軸回転ステージ/浮遊散策——宇宙滞在・認知症・庭園・発達障害の研究に基づくトポロジカルな時空と記憶形成の実験


関連ブログ記事:
     http://report-on-tip.blogspot.com/search/label/回転板
[資料展示]宇宙庭担当: 松井紫朗+森本幸裕+井上明彦
古来より人類は、文化的背景、自然条件が違っても、それぞれに固有の庭をつくり続けてきた。重力があることを自明のものとした自然観に沿いつくられてきたこれらの庭に対し、微小重力空間での庭はどのような形態を成すか? 国際宇宙ステーションという宇宙環境で植物を育て、人間と庭との生きた関係をかたちづくることにより、宇宙という新たな視点から、地上の自然観について、庭という文化的営為について、捉えなおす宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同プロジェクト。

宇宙庭
© Shiro Matsui/Yukihiro Morimoto/Akihiko Inoue
関連リンク:
AAS 2001–2003: 宇宙庭 Space Garden
未来の家政学・Tea House of Robots
rootoftwo (John Marshall & Cezanne Charles)
PLY Architecture (Karl Daubmann & Craig Borum)
With help from Osman Khan, Chris Johnson, Westley Burger and Robert Yuen.
*ミシガン大学(University of Michigan)

トースター、ミキサー、ラジオなどアメリカ1950年代のキッチン用品がロボットに変身。壁は、鑑賞者の表情を認識し、スマイル度数に基づき振る舞いを変化させる。これは、我々、日本の瞑想的空間の対極にあるアクロバティックで喜劇的な茶室である。THR_33は、家電製品の知能が高まると共に我々のそれらに対する考え方や生活そのものが変わることを提示し、我々が、自律した、働きかけると反応を示す環境や家電製品とどのような関係を持つかを問うプロジェクトである。

未来の家政学・Tea House of Robots 未来の家政学・Tea House of Robots
© University of Michigan

関連リンク:
     PLY Architecture
     designed objects (ジョン・マーシャルのブログ)

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