展覧会今日の造形<織> -ヨーロッパと日本-
今日の造形<織> -ヨーロッパと日本-
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「織り」の造形は、今きわめて活発な動向を示し、美術の分野に確固とした位置を築きつつある。それは、従来の織物とは形も内容も異なる新しい造形で、いわゆる工芸とかクラフトの枠を越えて、絵画や彫刻と肩を並べるものとして自己を主張しているのである。
こうした動きは、今世紀前期のドイツのバウハウス運動、さらにフランスのリュルサらによるタピストリー復興運動等によって導き出されたのである。これが近年のローザンヌの国際タピストリー・ビエンナーレなどに顕著に見られる、三次元的な作品に代表される新傾向の出現により華々しく開花したといってよいであろう。
ヨーロッパ各国の織りの現状は、それぞれの国民性や伝統によって実に変化にとんでいるが、今回はチェコスロヴァキア、ポーランド、ユーゴスラヴィア、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、スイスの12カ国をとりあげた。これに、ようやく活発になってきた日本の織りの作品をあわせて展観し、単に諸外国の織りの作品の現状を示すだけでなく、それらとの比較検討の場となり、今後のわが国の新しい方向への手掛かりを提供するものとした。
本展は、この新造形の将来に示唆を与えたばかりでなく、美術界全般に多大の刺激を与えるものとなった。
- 会期
- 9月29日-11月14日
- 入場者数
- 総数10,201人(1日平均248人)
- 共催
- 東京国立近代美術館
- 出品目録
作家名 | 品名 | 制作年 | 寸法(cm) |
---|---|---|---|
アバカノヴィッチ、マグダレーナ | 黒い上衣IV | 1974 | 170×60×高300 |
〃 | 黒い上表V | 1974-5 | 170×60×高300 |
〃 | 小さなオブジェ・手 | 1975-6 | 20×12×14 |
バレ、グレーテ | セピア・ブラウンの陰の間で | 244×146 | |
〃 | 明日という日 | 1975-6 | 150×90 |
〃 | もとの四隅へ | 1976 | 150×90 |
〃 | 静かな巣作り | 〃 | 175×70 |
ブイッチ、ヤゴダ | 可変の赤 | 1975-6 | 700×200×高300 |
ホイナッカ、マリア | 鎖による可動のコンポジション | 1973 | 500 |
藤岡●子 | 終りのない風景II | 1971 | 500×200×高350 |
〃 | 幻覚の舞台 | 1976 | 400×100×高200 |
ジヨーク、エルシ | 橙・青・紫を歌う色の柱のバリエーション | 1974 | 30×30×高300 |
〃 | スイス、その山々 | 1975-6 | 200×30×高230 |
〃 | ベルト女王のマント | 1976 | 120×100×高270 |
グラファン、ダニエル | 夜の石碑 | 1976 | 312×295 |
〃 | 夜明けの石碑 | 1976 | 312×295 |
グラウ=ガリガ、ホセプ | 貧しいタピ | 1972 | 380×290 |
作家名 | 品名 | 制作年 | 寸法(cm) |
---|---|---|---|
グラウ=ガリガ、ホセプ | マスクル | 70×高150 | |
〃 | ファメラ | 〃 | |
〃 | 婦人のフォルム | 1975 | 45×高85 |
ヒックス、シェイラ | 150枚のハンカチーフ | 1976 | 高300×巾は自在 |
〃 | 織の自叙伝 | 〃 | 260×260 |
〃 | 絹のバレリーフ | 〃 | 38×57ほか |
〃 | 建築のための習作 | 〃 | 200×120 |
礒辺晴美 | 海 | 〃 | 150×300 |
ヤコビ、リッツィ及びペーター | トランシルバニア5 | 1975 | 500×100×高300 |
〃 | 異国風(エクゾティカ) | 1976 | 300×200 |
小林正和 | B★3 | 1974 | 300×120×高300 |
〃 | W★3 | 1976 | 180×50×高300 |
クレイチ、リューバ | 夢 | 〃 | 200×440 |
クッカスイェルヴィ、イルマ | フインランドのフォルム 1.水 | 〃 | 200×300 |
2.土 | 〃 | 200×300 | |
3.岩 | 〃 | 200×300 | |
黒須玲子 | カベI | 〃 | 270×180 |
〃 | ハコI | 1975 | 60×60×高60 |
〃 | ハコII | 1976 | 30×180×高20 |
ワスケーヴィッチ、マリア | 鳥 | 1972 | 300×150 |
メラントン、カイサ | ヴェランダ | 1969 | 305×511 |
〃 | 悲劇の役者たちと観客 | 200×300 | |
ムラゼク、ボーダン | チェック人の一行 | 1974-6 | 900×10×高300 |
ムニョース、アウレリア | 森の人 | 1973 | 260×320 |
中川千早 | クロワゾン | 1975 | 230×160×高270 |
〃 | クーヴェルチュール | 1976 | 120×180×高90 |
小名木陽一 | 裸の花嫁 | 1972 | 120×120×高274 |
〃 | 赤い手袋 | 1976 | |
サドレイ、ヴォイチェフ | 刺青I | 〃 | 135×115 |
〃 | 〃II | 〃 | 140×117 |
〃 | 〃III | 〃 | 150×110 |
〃 | 〃IV | 〃 | 140×115 |
〃 | 〃V | 〃 | 135×115 |
佐久間美智子 | ニュー・プラネット | 1973 | 400×400 |
〃 | 空間への展望 | 1976 | 200×300×高270 |
シーレ、モイク | 宇宙 | 〃 | 90×90×高260 |
〃 | 水 | 〃 | 200×200 |
〃 | 空 | 1975 | 200×200 |
徳重恵美子 | い | 〃 | 40×40×高40ほか |
〃 | ろ | 〃 | 130×280 |
ファン・デル・ホルスト、ロエス | 可変 | 〃 | 170×216 |
〃 | 2 | 〃 | 157×232 |
〃 | 布 | 〃 | 150×150 |
ヴォハンカ、ジンドルジック | 偶像 | 1967 | 280×230 |
〃 | ユーソヴイスのヴィーナス | 1974 | 200×325 |
ワルシンスキー、ブリット・H・フッレヴァーグ | エレメントI | 1972 | 120×250 |
〃 | 〃II | 〃 | 〃 |
〃 | 〃III | 〃 | 〃 |
〃 | 〃IV | 〃 | 〃 |
〃 | 〃V | 〃 | 〃 |
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