うるしの近代――京都、「工芸」前夜から


迎田秋悦《杉藤蒔絵硯箱》1920年
迎田秋悦《杉藤蒔絵重硯箱》1920年
 深い漆黒(しっこく)のつや、華やかな朱色、金や銀の輝き、虹色に光る貝――ウルシの木から採れる樹液を使って器の表面を塗り重ね、蒔絵(まきえ)などの装飾を施す漆芸(しつげい)には独特の美しさがあります。漆は私たちの生活に関わるあらゆるものに用いられ、はるか昔から日本人の暮らしを豊かに彩ってきました。
 この展覧会では、まとまった形で紹介されることの少なかった京都の動向にスポットをあてて、近代の漆芸を紹介します。明治時代、日本の近代化はさまざまな形で西洋の文明を取り入れることから始まりました。私たちが普段使っている「美術」や「工芸」という言葉も、この頃に西洋美術の翻訳語として生まれました。そして、京都の漆芸界は、このような東京中心の新しい美術のあり方に大きな影響を受けつつも、一方では洗練された遊びの世界から日常の器にいたるまで、「工芸」という言葉が生まれる以前のものづくりの伝統を脈々と受け継いできたのです。
 本展は、京塗(きょうぬり)を代表する塗師(ぬし)の木村表斎(きむらひょうさい)、明治の蒔絵師として名高い富田幸七(とみたこうしち)、近代工芸の革新に中心的な役割を果たした浅井忠(あさいちゅう)と神坂雪佳(かみさかせっか)という二人の図案家、そして彼らの指導を受け、それぞれが京都を代表する漆芸家となった迎田秋悦(こうだしゅうえつ)、戸嶌光孚(とじまこうふ)などの作品を、海外の美術館からの里帰り品も含めて一堂にご覧いただける、またとない機会となるでしょう。京都の漆がどのように近代を迎えたのかを考えることで、「工芸」への新たな視点を探ります。


会期
2014年7月19日(土)〜 8月24日(日)
※本展覧会は巡回の予定はありません

開館時間
午前9時30分 〜 午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日
毎週月曜日(但し、7月21日(祝)は開館し、翌22日は休館)

主催
京都国立近代美術館
京都新聞

観覧料
  当日 前売り 団体(20名以上)
一 般 900 700 600
大学生 500 350 250
高校生・18歳未満 無料

※本料金でコレクション展もご覧いただけます。
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。
 (入館の際に証明できるものをご提示ください)
※前売券の主な取り扱い
 ローソンチケット(Lコード:54319)
 セブンチケット (セブンコード:030-989)
 チケットぴあ   (Pコード:766-221)
 ほか主要プレイガイド、コンビニエンスストアなどで販売予定
 ※前売券は、5月19日(月)〜 7月18日(金)までの期間限定販売


関連イベント
講演会
■「うるしの近代」
講師:中尾優衣(当館研究員)
日時:8月16日(土)午後2時〜3時30分
■「京都の近代工芸産業と神坂雪佳・浅井忠」
講師:佐藤敬二氏(京都精華大学教授)
日時:8月23日(土)午後2時〜3時30分
会場:京都国立近代美術館1F講堂
定員:100名(午前11時から1Fインフォメーションにて整理券を配布します)
※聴講無料

ギャラリー・トーク
日時:下記日程にて、各日ともに午前11時〜11時40分
7月26日(土)下出宗明(蒔絵師)、石川良(漆工)
27日(日)太田勲(漆塗)、長屋綾乃(漆工芸家)
8月2日(土)島博樹(漆工)、高畑志寿賀(蒔絵師)
3日(日)三木啓樂(漆工芸家)、水内倫子(蒔絵師)
8日(金)大西典子(漆器店)、追立睦(漆工芸家)
9日(土)岡田嘉夫(蒔絵師)、一瓢良子(蒔絵師)
17日(日)加藤雅士(漆商)、新井悦子(漆工芸家)
22日(金)櫻井勇志(漆塗)、高島新(蒔絵師)
24日(日)加藤友理(漆工芸家)、田中里果(蒔絵師)
  ※台風のため中止となりました8月10日(日)開催予定分は、22日(金)に変更いたします

講師:京都漆器青年会有志+当館研究員
   ※京都漆器青年会提供の各講師プロフィールは<こちら>
集合場所:当館1Fインフォメーション
定員:先着20名
 (当日午前10時より1Fインフォメーションにて整理券を配布します)
※聴講無料(要観覧券)
主催:京都国立近代美術館
協力:京都漆器工芸協同組合、京都漆器青年会

京都漆器青年会によるワークショップ
■漆絵・蒔絵体験
漆塗の箸または漆塗の丸皿にさまざまな色漆で絵付けをします。金銀粉、金箔を使った簡単な蒔絵も体験いただけます。
日時:@7月26日(土)午後1時〜4時(随時受付)
   A8月 3日(日)午後1時〜4時
   (好評につき、受付は午後1時、2時、3時の3回とさせていただきます)
定員:各日60名(事前申込者優先)
参加費:3,000円
※所要時間は約30分〜1時間程度です。
 

■お箸に拭き漆
「拭き漆」は、漆を木地に塗ってはふき取る作業を何度も繰り返す手法。お好みの長さと色の、自分だけの漆の箸を作りましょう。
日時:@7月27日(日)午後1時〜4時(随時受付)
   A8月24日(日)午後1時〜4時
   (好評につき、受付は午後1時、2時、3時の3回とさせていただきます)
定員:各日60名(事前申込者優先)
参加費:2,000円
※所要時間は約30分〜1時間程度です。
 

■金継ぎ(事前申込制)
「金継ぎ」とは、陶磁器の割れや欠けを漆などで修復し、金粉で装飾する日本独自の技法です。欠けてしまった陶磁器を持ち寄り、金継ぎによって美しく甦らせましょう。時間の都合上、接着と欠け埋めには接着剤とパテを使用しますが、漆と本銀粉で仕上げます。
日時:@8月10日(日)午後1時〜4時
   A8月17日(日)午後1時〜4時
定員:各日20名(事前申込制)
参加費:6,000円
持ち物:修理する陶磁器(2cm以上の欠けや複雑に割れたものは、
    時間内に修理できませんのでご遠慮下さい)、持ち帰り用箱
 

 【ワークショップに関して】
 会場:いずれも京都国立近代美術館1F講堂
 お申込・お問い合わせ先:京都漆器青年会(担当:佐藤貴彦)
 E-mail: info@urusi.co.jp/TEL: 090-3827-0873
 主催:京都漆器青年会
 協力:京都国立近代美術館
 ※ワークショップで制作した作品は、当日お持ち帰りいただけます。
  漆が乾くのに1週間程度かかります。
 ※材料にはかぶれにくい漆NOAを使用し、かぶれ対策も十分におこないます。
  かぶれが心配な方はお申し込みの際にご相談下さい。
 ※対応言語:日本語、英語、スペイン語、フランス語
 ※ワークショップ参加費に、展覧会の観覧料は含まれません。


京都・和菓子の会「うるしへのオマージュ――京菓子が彩る漆の世界」
京都・和菓子の会は結成11年目の京菓子を愉しむ会。今回は展覧会をモチーフ とした京菓子や祇園祭のお菓子などを京漆工芸作家7人の作品とともに味わいま す。銘木師中川典子の見立てた床の間風室礼に、京漆器。和束町から新茶が届 き、本物の京漆器に彩る京菓子たち。一期一会の取り合わせをお楽しみください。

日時:7月20日(日)@午前10時〜 A午後1時30分〜
      21日(月)@午前10時〜 A午後1時30分〜
定員:各回40名(事前申込者優先)
会場:京都国立近代美術館1Fロビー、講堂
参加費:一般4,000円、大学生以下3,000円(うるしの近代展チケット付)
京漆器若手作品参加者:三木啓樂、太田勲、加藤友理、岡田嘉夫、水内倫子、新木郁雄、番浦肇
主催:京都・和菓子の会
協力:京都国立近代美術館
お申込・お問い合わせ:「京都和菓子の会」事務局(担当:井上)
E-Mail: webmaster@kyo-kaze.jp fax: 075-841-8089


広報資料
チラシ  PDF形式(5MB)





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