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展覧会シエナ美術展―絵画・彫刻・工芸の精華―

シエナ美術展―絵画・彫刻・工芸の精華―

 本展覧会は「日本におけるイタリア2001」年の記念事業のひとつとして企画され、当館が関西地区における巡回開催館となった。イタリア中部トスカーナ地方の中心に位置する古都シエナの、初期ルネサンスから19世紀にわたる美術の展開を絵画・彫刻・陶器などの作品101点によって紹介したもので、フィレンツェと並んで大きな勢力を有して、イタリアさらにはヨーロッパ美術で重要な役割を演じたシエナの優雅で繊細な表現に満ちた作品群をわが国ではじめて紹介して、あらためてイタリア美術再考の機会を提供することを意図した。
 出品作品すべてが、本国イタリアでも常時公開されてはいないイタリア屈指の名門銀行であるモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行のコレクションであったが、美術館ではなく一企業が所蔵する作品によって、シエナのほぼ500年にわたる美術の歴史が展望され得るということも驚きで、文化国家イタリアの底辺の広さを再認識する好機となった。東京ステーションギャラリーに続く第2会場として開催されたが、とりわけ会場構成において後に続く開催館(群馬県立近代美術館、山口県立美術館)のモデルとなり、また当館だけの特別作品であったピエトロ・ロレンツェッティの小型祭壇画をはじめ、保全上展示制限の厳しい20点の板絵作品が出品されたことも特筆できよう。

会期
12月22日―2002年2月11日(38日間)
入場者数
27,749人(1日平均730人)
共催
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行
出品作品数
102点
カタログ
『シエナ美術展―絵画・彫刻・工芸の精華―』/30.5×23.0cm/179頁
編集:東京ステーションギャラリー、京都国立近代美術館、群馬県立近代美術館、山口県立美術館/デザイン:笠毛和人/発行:朝日新聞社
所収論文:「シエナ美術展の開催にあたって」松田重昭、「シエナ派絵画の魅力」高階秀爾、「中世の理想都市シエナとその美術[14―16世紀前半]」小佐野重利、「トスカーナ大公国シエナとその美術[16世紀後半―19世紀]」上村清雄、「モンテ デイ パスキ ディ シエナ銀行の美術コレクションの歴史」モンテ デイ パスキ ディ シエナ銀行
巡回先
東京ステーションギャラリー、群馬県立近代美術館、山口県立美術館

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