展覧会所蔵品でたどる 新しい造形表現―1960年から今日まで―
所蔵品でたどる 新しい造形表現―1960年から今日まで―
1999(平成11)年度末で京都国立近代美術館の所蔵品総数は6,482点を数える。常設展示場を持たなかった旧館時代は、数年おきに開催する新収蔵品展以外は当館所蔵の優品を大規模に展示する機会は稀であった。しかし1986年10月に新しい美術館が完成して以降は、約1000㎡の4階常設展示場において、年間約10回の展示替を行いつつ常時200点前後の収蔵作品の展示を行っている。常設展示が可能になったことにより、当館所蔵品の概要と傾向を一般に公開できるようになり、同時に、美術館活動の根幹を成す展覧会活動と作品収集との有機的な関係も説得力を持って説明できるようになった。
今回の展覧会「所蔵品でたどる新しい造形表現―1960年から今日まで」は、4階常設展示場でも展示設営が困難な大型作品を中心に、1960年以降、各分野の美術家たちが挑戦してきた多様な造形表現の試みを振り返る意図で企画された。
写真、彫刻、染織(ファイバー・ワーク)、陶芸作品など約70点が展示されたが、特に1970年代に制作された陶芸や染織の斬新な表現は、今日でも十分力強く先鋭的なものとして、鑑賞者に新鮮な感銘を与えた。これらの所蔵作品は、1970年代の当館の一連の特別展、「現代の陶芸」や「現代の造形〈織〉」などを通じて収集されたものであり、長期的展望のもとでの作品収集と展覧会活動の重要さを、再認識させてくれるものであった。
- 会期
- 2月1日―2月13日(12日間)
- 入場者数
- 1,895人(1日平均158人)
- 出品作品数
- 70点
- カタログ
- カタログ作成せず、作品目録のみ配布
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