展覧会生誕110年・没後20年記念展 小野竹喬
生誕110年・没後20年記念展 小野竹喬
1889年岡山県笠岡市に生まれ、14歳で当時京都画壇新派の先頭に立っていた竹内栖鳳に入門。1907年18歳の時にはやくも第1回文展に入選して以来、1979年に亡くなるまで70年もの長きにわたり、京都画壇で活躍した小野竹喬。本展では、この年が竹喬の没後20年、生誕110年に当たるのを機に《故郷の春》、《島二作》、《冬日帖》、《宿雪》、《夕茜》、《奥の細道句抄絵》など初期から最晩年までの代表作と素描などを展観し、その偉大な業績を振り返ってみた。
132点(うち1点は京都会場未陳)の作品を時代順に1栖鳳、そして西洋近代絵画との出会い(1903―1917年)、2西洋と東洋のはざまで(1918―1928年)、3南画から大和絵へ(1929―1945年)、4カラリスト、竹喬の誕生(1946―1965年)、5至純な心の風景(1966―1979年)、6表紙絵・素描の6つのセクションに分け、折々の竹喬の言葉、写真パネルと合わせて展示した。師栖鳳風の作品、セザンヌの実在感の豊かさや南画の自由さを取り入れた作品、渡欧後のフレスコ画風の作品、線描を主とした淡彩の作品、大和絵的な作品、単純化された造形と明快な色彩による作品、最晩年の墨彩画などその70年にわたる画業の間に画風はかなり変転したが、竹喬が一貫して、真摯に見つめた日本の自然美を胸中で醸成させ表現してきたことは理解していただけたことと思う。また、近代京都画壇を代表する竹喬の歩みをたどることにより、明治から現代にかけて京都の日本画がどのように展開してきたかも知ることもできたのではないだろうか。
なお、本展は当館開催後、東京の東武美術館、岡山の笠岡市立竹喬美術館に巡回した。
- 会期
- 6月18日―7月25日(33日間)
- 入場者数
- 42,117人(1日平均1,276人)
- 共催
- 毎日新聞社
- 出品作品数
- 128点
- カタログ
- 『生誕110年・没後20年記念展 小野竹喬』/28.5×22.5cm/231頁
編集:内山武夫、島田康寬、小倉実子(京都国立近代美術館)、田中晴久、野口晴子(東武美術館)上薗四郎、木下悦子(笠岡市立竹喬美術館)/デザイン:大向務/発行:毎日新聞社
所収論文:「小野竹喬の画業」内山武夫、「小野竹喬の《奥の細道句抄絵》について」島田康寬、「竹喬、模索の時代(1929―1945)」上薗四郎、「竹喬展によせて」小野常正 - 巡回先
- 東武美術館、笠岡市立竹喬美術館
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