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展覧会韓国国立中央博物館所蔵 日本近代美術展

韓国国立中央博物館所蔵 日本近代美術展

 韓国国立中央博物館は、日本の近代美術品約200点を所蔵している。これ等の作品は日韓併合時代の1930年代から40年代前半に、日本の植民地文化政策の一環として、旧朝鮮王室が買い上げ、あるいは寄贈を受けたもので、ソウルにある徳寿宮の石造殿で1933年より順次公開されていた。ところが、日本の敗戦とともに一転して非公開となり、日韓の不幸な歴史背景や、日本に対する韓国の国民感情などから長い眠りにつかざるをえず、「幻のコレクション」と呼ばれてきた。しかし、昨年のワールドカップ日韓共同開催の成功に象徴されるように、両国の文化交流が進む中で、韓国国立中央博物館では、韓国国民に幅広く日本文化に触れる機会を提供することを目的として、所蔵の日本近代美術品を本格的に研究し、順次公開することを決定した。そして、初めての公開作品として日本画45点、工芸25点の計70点を選び、昨年10月29日から12月8日まで同館で歴史的な展示をするに至った。本展は、同展に出品された全作品70点を展示する、初めての里帰り展となった。
 日本の研究者や関係者の間で早くから望まれていた「幻のコレクション」の公開が、一部ではあったが実現し、実作品を見ることが出来なかった個々の作家や1930年代から40年代の間の日本画、工芸の研究が更にすすむことと考えられる。また、当時は良く知られていながら、戦前に亡くなったために忘れられた作家の作品も含まれており、彼等の仕事の見直しにも役立つであろう。
 なお本展は、4月3日―5月11日の日程で東京藝術大学大学美術館でも開催された。

会期
5月20日―6月29日(36日間)
入場者数
46,070人(1日平均1,280人)
共催
韓国国立中央博物館、朝日新聞社、NHK京都放送局、NHKきんきメディアプラン
出品作品数
71点
カタログ
『―韓国国立中央博物館所蔵―日本近代美術展』/29.6×22.0cm/135頁
編集:京都国立近代美術館、東京藝術大学大学美術館、朝日新聞社/発行:NHK、朝日新聞社
所収論文:「日韓文化交流と『日本近代美術』」池明観、「韓国国立中央博物館の近代日本画」内山武夫、「日本近代工芸の概観―実用と芸術の間」竹内順一、「徳寿宮石造殿の日本近代美術品展示」金承煕
巡回先
東京藝術大学大学美術館

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