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展覧会東松照明の写真 1972―2002

東松照明の写真 1972―2002

 1950年代半ばから今日まで、旺盛な活動を続けている日本を代表する写真家・東松照明(1930― )の、1972年以後のカラー写真作品を6回のシリーズに分けて、4階常設展示の一室で約1年間にわたり紹介する試み。1970年代初頭までの東松は主にモノクローム写真を手がけ、既存の「報道写真」の概念を大きく踏み越えた日本写真史上の記念碑的業績となった衝撃的なフォト・ドキュメントを発表してきた。しかし1972年4月から73年末まで沖縄に滞在した後の東松は、以前の作品とは明らかに異なる、淡々としたカラー写真を撮り続けている。戦後日本の社会と日本人を見つめ、状況の深層を鋭く視覚化する写真を提示してきた東松が、なぜ、私たちの解釈や比喩を拒絶するかのような寡黙なカラー写真の制作にこだわり続けているのか。東松照明のモノクロームからカラーへの転換を考えること、それは写真を手段とした一人の表現者の軌跡を辿ることであり、同時に、見る側の視線の変化を問い返すことにもなった。東松は自作を語るとき、自然と人工、現実と虚構(世界と写真)が重なり合う場という意味を込めて「インターフェイス(境界面)」という言葉を用いる。これは、「視る」ことで外界と関係を結びながら、写真という虚構のイメージを創り出す写真家・東松照明の基本的な立場表明であり、同時に、現実世界にも虚構の世界にも止まり得ない「写真」の本質的な問題を私たちに再考させるものといえる。

会期
「さくら」4月8日―5月5日
「沖縄マンダラ」6月24日―7月27日
「長崎マンダラ」7月29日―8月31日
「京まんだら」10月18日―11月24日
「インターフェイス」12月23日―2004年2月8日
「曼陀羅/インターフェイス」3月9日―4月4日
(合計183日間)
入場者数
入場者総数:58,951人(1日平均322人)
出品作品数
「さくら」36点
「沖縄マンダラ」50点
「長崎マンダラ」50点
「京まんだら」75点
「インターフェイス」36点
「曼陀羅/インターフェイス」58点

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