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展覧会トーマス・シュトゥルート:マイ・ポートレイト

トーマス・シュトゥルート:マイ・ポートレイト

 本展は現代ドイツを代表する美術家トーマス・シュトゥルート(1954年生まれ)の初期から最新作までを紹介する展覧会である。シュトゥルートの作品は過去当館の展覧会、「移行するイメージ」(1990年)、「ドイツ現代写真展《遠・近》」(1997年)にも出品され、また彼の代表作《美術館シリーズ》の優品2点が当館に所蔵されている。
 デュッセルドルフ美術アカデミーで画家ゲルハルト・リヒターと写真家ベッヒャー夫妻に学んだシュトゥルートは、自己と外界との関わりを極めて概念的にとらえ直そうとするコンセプチャル・アートの系譜を継承し、その表現手段として写真メディアを用いる美術家である。彼の写真作品は現代美術の世界だけではなく、80年代以降の現代写真に一つの新しい潮流を創り出したものとして、写真専門家からも高い評価を受けている。本展では約50点の厳選された作品が展示され、初期の《街路》《肖像》《美術館》のシリーズから90年代の《風景》《花》《パラダイス》までを通観でき、彼が出会い記録した風景や人々を通じて、時の経過と共に変化していく一人の美術家の外界への視線を辿ることのできる構成であった。本展の副題「マイ・ポートレイト」が示すように、作者自身はどの作品にも登場しないが、この展覧会自体が、シュトゥルートの視線と思想の変遷を明示する「自伝的」アルバムと言えるユニークなものとなった。
 この展覧会は東京国立近代美術館とシュトゥルートが協力して企画・構成したもので、東京での展観の後、当館へ巡回したものである。

会期
12月19日―2001年2月4日(35日間)
会場
京都国立近代美術館1階ロビー
入場者数
11,241人(1日平均321人)
共催
東京国立近代美術館
出品作品数
55点
カタログ
『トーマス・シュトゥルート:マイ・ポートレイト』/25.8×19.0cm/63頁
編集:市川政憲、増田玲、鈴木勝雄(東京国立近代美術館)/デザイン:印象社/発行:東京国立近代美術館
所収論文:「見ることの場所―トーマス・シュトゥルートの写真」増田玲、「無関心への抵抗」市川政憲
巡回先
東京国立近代美術館フィルムセンター展示室

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