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展覧会万国博覧会と近代陶芸の黎明

万国博覧会と近代陶芸の黎明

 この展覧会は、明治時代の万国博覧会出品作品および同時代の作品を中心に、大正から昭和初期、個性を重視した作家の作品を含めて展示することで、わが国の近代陶芸の始まりから昭和初期までの展開を検証しようとした展観であった。
 幕末以降、さまざまな日本の美術品が欧米に紹介されると、とりわけ工芸意匠の目新しさとその精緻な技術が高く評価され、ジャポニスムと呼ばれる日本趣味ブームを起こすほど欧米の美術や工芸に大きな影響を与えた。しかし、1900年のパリ万国博覧会前後から、欧米では日本美術の影響を消化した、アール・ヌーボー様式が流行し、旧態依然として変化に乏しい日本の陶磁器に対して欧米の人々の興味が急速に薄れていった。これを契機として、日本でも欧米に対抗できる陶磁器を作り出すために新たな図案や釉薬の研究が盛んに試みられるようになり、アール・ヌーボー様式やアール・デコ様式など新しい様式の影響のもと陶磁器を含んだ工芸全般に新たな図案が模索された。このように明治時代初期の我が国陶芸が海外に高く評価された時代から、衰退しさらなる発展を模索した昭和初期までの展開を検証することにより、現代まで続く我が国の近代・現代陶芸の原点を探るものであった。

会期
11月28日―2001年1月28日
入場者数
11,824人(1日平均252人)
共催
愛知県陶磁資料館
出品作品数
157点
カタログ
『万国博覧会と近代陶芸の黎明展』/29.7×22.1cm/171頁
編集:佐藤一信、中野泰裕、唐澤昌宏(愛知県陶磁資料館)、松原龍一(京都国立近代美術館)/デザイン:WAKO PRO/発行:愛知県陶磁資料館、京都国立近代美術館
所収論文:「万国博覧会と近代陶芸の黎明」佐藤一信、「西欧技術の導入と輸出陶磁」仲野泰裕、「1900年のパリ万国博覧会と日本の近代陶磁」大熊敏之
巡回先
愛知県陶磁資料館

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