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展覧会STILL\MOVING 境界上のイメージ―現代オランダの写真、フィルム、ヴィデオ

STILL\MOVING 境界上のイメージ―現代オランダの写真、フィルム、ヴィデオ

 本展は、いま世界の美術関係者から熱い注目を集めているオランダの写真、ヴィデオ、ドキュメンタリー映画など最新の映像表現を紹介し、同時に、こうした映像作品を受け入れていくことで、否応なく変容を迫られている「美術館」というシステムの現状と将来を考える試みであった。
 現代オランダの映像表現の豊穣さは、オランダというヨーロッパにおけるメディア文化の消費・再生産の一大拠点という地政学的特質、政府の長年にわたる芸術育成政策、そしてこの環境で育ったオランダの若い芸術家たちと国外からオランダに集まってきた多様な才能による複合的な成果であると言える。ここで生み出される映像作品は、ファッションとクラブ・カルチャーの融合、デジタル・イメージの編集・再構成、テクノロジーと日常感覚の奇妙な調和、雑多な文化の断片が衝突し混血していくエネルギーなど、現代の私たちが直面する様々な同時代的問題を主題としており、オランダという国の枠組みを越えて、世界中の人々が共感できる表現となっている。日常生活の中の単純な行為の一つを抽出した映像を誇張し、反復・循環させることで驚くほど効果的な物語性と絵画性を獲得した彼らの表現は、静止画と動くイメージの境界上で、また現実と仮想空間の狭間での「見ること」と「記憶し記録すること」の意味を身体感覚によって問い直す斬新なものであった。

会期
8月8日―9月24日(42日間)
入場者数
12,051人(1日平均287人)
出品作品数
94点
カタログ
『STILL\MOVING 境界上のイメージ―現代オランダの写真、フィルム、ヴィデオ』/30.4×20.0cm/167頁
編集:河本信治(京都国立近代美術館)、フリーツ・ヒールスベルフ(オランダ国立写真研究所)/デザイン:西岡勉/発行:京都国立近代美術館
所収論文:「序論」河本信治、「静止\運動」フリーツ・ヒールスベルフ、「(映画は)いまも新しいか」クリス・デルコン

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