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展覧会京都新聞社創刊120年記念展 近代京都画壇と『西洋』 日本画革新の旗手たち

京都新聞社創刊120年記念展 近代京都画壇と『西洋』 日本画革新の旗手たち

 明治維新以降、急激な近代化の道をたどった日本では、「西洋」を規範とし、これに追随することが近代化であるかのような時代風潮が支配的で、この130年余の日本の歩みは、概ね西洋化の方向に転回してきたと言ってよいであろう。我が国の伝統的な絵画である日本画の近代化にあたっても、「西洋」との対峙は避けられないことであり、このことは京都画壇においても例外ではなかった。
 明治初期にいち早く西洋的空間表現を取り入れた岸竹堂をはじめ、渡欧体験を通してコローやターナーを摂取した竹内栖鳳、洋画のデッサンを学び、自然主義的立場に立って花鳥諷詠よりも社会の現実に目を向けた丙午画会の画家達、芸術と人生の一致を求め、古今東西の芸術を融合してヒューマニズムに立脚した絵画を追求した国画創作協会の画家達、昭和前期の戦争へと向かう暗い時代の中でモダニズムの明るさと造形を求めた田口壮ら、また、第二次世界大戦後の日本画そのものへの危機意識からシュルレアリスムや抽象主義などに鋭く反応して日本画そのものの在り方を問い直すべく果敢な挑戦を試みたパンリアル美術協会の画家達は中でも特に尖鋭的であった。
 京都新聞創刊120年を記念して開催された本展覧会では、上記の作家を含む、明治維新から1960年に至るまでのそれぞれの時点において「西洋」との対決に最も積極的に取り組み、その後の日本画のすすむ道に大きな指針と影響を与えた40作家の作品79点を列べることにより、この120年の京都画壇の近代化の様相を具体的にたどった。また、これらの作品から窺える近代日本画家の葛藤と模索の軌跡は、今後の日本画の在り方に様々な問題を提起した。

会期
8月6日―9月12日(33日間)
入場者数
21,641人(1日平均656人)
共催
京都新聞社
出品作品数
79点
カタログ
『京都新聞社創刊120年記念展 近代京都画壇と『西洋』―日本画革新の旗手たち―』/29.5×22.5cm/139頁
編集:京都国立近代美術館、京都新聞社/発行:京都新聞社
所収論文:「明治期京都画壇の伝統と西洋」内山武夫、「近代京都の日本画と『西洋』」島田康寬

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