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展覧会森村泰昌[空装美術館]―絵画になった私

森村泰昌[空装美術館]―絵画になった私

 古今東西の美術史上の名作に、扮装した作者自身が登場するユニークな写真作品で知られる森村泰昌(1951年大阪生)は、1980年代半ばから今日まで、日本を代表する現代美術作家として内外で高い評価を受けてきた。森村作品は、視覚的な衝撃の背後にきわめて複雑な構造と文化コードを内包しており、〈性差〉や〈文化多元主義〉という今日的問題を論議する上での恰好の対象として、世界の先鋭的な批評家や思想家によって繰り返し分析されてきた。
 近年の森村の作品はコンピューターによる画像合成技術の採用により、ますますその表現は精緻で多彩なものとなっている。またマリリン・モンローや原節子をモデルとした「女優」シリーズの制作、生身の肉体で演じるライブ・パフォーマンスなどによって、美術の枠を超えた幅広い人々の関心も集め始めている。
 今回の展覧会は、美術作品を「着る・装う」という森村作品の本質を最も直接的に表現する「美術史」のシリーズに焦点を当て、1985年の「肖像(ゴッホ)」から1998年のアンディ・ウォーホルを取り上げた最新のヴィデオ作品までの約70点で構成された。アンドレ・マルローの「空想美術館」の構想を創造的に継承する本展は、森村泰昌による「美術史美術館」の創造であり、美術作品と美術史に寄せる作者自身の愛と批評の集大成でもあった。
会場入り口にはプリクラ(モリクラ・マシーン)が設置され、観客も森村作品の一部となる仕掛けが大きな人気を呼んだ。

会期
6月16日―8月2日(42日間)
入場者数
41,593人(1日平均990人)
共催
朝日新聞社、朝日放送
出品作品数
63点
カタログ
『森村泰昌・空装美術館―絵画になった私』透明ビニールポーチ、コンパクト・ミラー入り
vol.1テキスト編/15.0×11.5cm/102頁
編集:林洋子、石田哲朗(東京都現代美術館)、帯金章郎、山本桐栄(朝日新聞社)/デザイン:西岡勉/発行:朝日新聞社
所収論文
『森村泰昌・空装美術館―絵画になった私』透明ビニールポーチ、コンパクト・ミラー入り
vol.1テキスト編/15.0×11.5cm/102頁
編集:林洋子、石田哲朗(東京都現代美術館)、帯金章郎、山本桐栄(朝日新聞社)/デザイン:西岡勉/発行:朝日新聞社
所収論文:「森村泰昌―美術史と美術館の間で」塩田純一、「森村泰昌・空想美術館―『美術館』を擬する、エスカレートする『私』」林洋子、「森村泰昌―転生する愛」帯金章郎、「不正規な対談、あるいは森村泰昌のひとりごと」河本信治編
vol.2 図版編
15.0×11.6cm/40頁(絵はがきブックの形態をとる)
デザイン:西岡勉/発行:朝日新聞社
巡回先
東京都現代美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

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