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展覧会写真の誕生から現代まで 館所蔵の近代写真展Ⅰ

写真の誕生から現代まで 館所蔵の近代写真展Ⅰ

 現在、所蔵・寄託を含め1,500点以上に及ぶ当館の近代写真の収蔵は、京セラ株式会社からギルバート・コレクション1,050点の寄贈を受けることで開始された。
 日本の美術館に写真のコレクションを形成する必要を痛感していた当館は、1980年代初頭からその可能性を求めて調査を開始していた。この過程でシカゴ在住の著名な写真コレタターであるアーノルド・ギルバート氏から同氏のコレクションを日本に委譲したいとの意向が伝えられた。米国の大学や美術館の写真コレクションの形成に尽力してきた同氏は、そのコレクションが日本での写真芸術に対する認知を高める一助になることを望んだのである。この意向と当館の写真コレクションへの長期展望を理解された京セラ株式会社から、同社がギルバート・コレクションを購入し当館へ即時寄贈する申し出があったのは、新しい美術館建物が完成した1989年9月のことであった。
 ギルバート・コレクションは、19世紀末から1980年までのアメリカを中心とした近代写真の展開を通史的に辿ることの出来る包括的なコレクションであるが、特に1930年代から50年代までのアンセル・アダムスやエドワード・ウエストンを中心とした近代写真の巨匠達の最も充実した時期の作品が多数含まれていることが特徴である。当館の写真コレクションは日本の美術館としては先駆的なものとして各方面から大きな注目を集め、これを契機に、水俣公害の記録で知られる写真家ユージン・スミスの生涯の活動を網羅する約300点の寄託、花博写真美術館で行われた現代写真家達の実験的な作品約40点の寄贈、野島康三遺作保存会から日本近代写真の一つの頂点である野島康三の貴重な遺作約260点の寄贈などが寄せられ、当館の写真コレクションを豊かでユニークなものとしている。本展は写真収蔵の開始10年を記念して開催されたもので、当館の写真コレクションの全貌を紹介するひさびさの機会となった。

会期
7月8日―8月24日(42日間)
入場者数
14,296人(1日平均340人)
出品点数
351点
カタログ
『京都国立近代美術館・所蔵作品目録Ⅳ 野島康三』/29.6×21.0cm/136頁
編集・発行:京都国立近代美術館/デザイン:西岡勉
所収論文:「野島康三序論」ジェフリー・ギルバート

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