教育普及「志村ふくみ展」キッズプログラム
鑑賞ツアー『これはどんな色?』実施報告
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「志村ふくみ展」キッズプログラム
鑑賞ツアー『これはどんな色?』実施報告
- 日時
- 2016年2月20日(土)午後2時~3時
- 会場
- 京都国立近代美術館 1階講堂、3階企画展示室
- 参加人数
- 小学生9名
志村ふくみさんの着物を、色や模様からイメージを膨らませて味わう鑑賞ツアー『これはどんな色?』を開催しました。1回目となる2月20日は、小学校1年生から6年生まで9人の子どもたちが参加しました。
今回は全部で9つの作品を取り上げました。 無地の着物がずらりと並ぶセクションでは、着物の色をさまざまな方法で説明してみることに挑戦。「和菓子の色」「抹茶の色」など、身の回りのものに似た色がないか探してみたり、「ふわふわしている」など、様子をあらわす言葉を使ってみたり。一つの色からどんどんイメージが膨らんでいきます。
続いて、緑色と青色との微妙なグラデーションが美しい《柳》を鑑賞しました。柳について説明しようと写真を見せた時、「柳の色と川の色を一度バラバラにして、集めて並べ直したらこんな風になったんだ!」というコメントが飛び出しました。実はこの写真は偶然にも、琵琶湖疏水のそばに垂れ下がる柳を捉えたものだったのです。子どもの鋭い観察眼に、後ろで聞いていた大人たちが思わず「なるほど」とうなずいた瞬間でした。
ツアーの最後は《光の湖》を鑑賞しました。作品が目に入った瞬間から、「光!」「キラキラ!」「輝いている!」と、子どもたちのつぶやきが止まりません。
「どこかに月があって、照らしているみたい」
(ナビゲーター)「ということは、時間はいつかな?」
「周りの青が深い青色だから、昼間じゃなくて夜だと思う」
「この青色は、広くて深い海の色なのかもしれない…」
色合いや模様を手掛かりに作品の印象を話してくれる子もいて、ツアーが進むにつれ、子どもたちが鑑賞のコツを掴んでいく様子が感じられました。
ツアーの終盤では、アルスシムラの方にご協力いただき、いくつかの異なる色の絹糸の束を触ってみました。「植物からこんなきれいな色が出るなんて」と、志村さんの着物にますます興味を持った様子。ツアー終了後、もう一度展示室に向かった子もいました。
短時間のツアーではありましたが、9人の子どもたちは、感覚を研ぎ澄ませて一つの作品からたくさんのイメージを膨らませてくれました。次回は後期展示の作品も取り上げる予定です。どんな鑑賞ツアーになるか楽しみです。
次回は3月12日に開催予定です(申込受付は終了しました)。
(当館特定研究員 松山沙樹)
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