教育普及芝川コレクション展 関連イベント ワークショップ「私の蔵書印を作ろう」開催報告
学習支援活動
HOME > 学習支援活動 > 2013(平成25)年度 > 芝川コレクション展 関連イベントワークショップ「私の蔵書印を作ろう」開催報告
芝川コレクション展 関連イベント
ワークショップ「私の蔵書印を作ろう」開催報告
- 日時
- 2013年6月23日(日)午後1時~4時
- 会場
- 京都国立近代美術館1F講堂・3F企画展会場
- 参加人数
- 11名
- ナビゲーター
- 朴 鈴子(当館研究補佐員)
- 特別協力者
- 肥山陽子氏(芝川照吉のご親族)
- 解説者
- 山野英嗣(当館客員研究員)
芝川コレクション展の関連イベントとして行った当ワークショップは、展覧会ポスターやチラシ、会場のキャプションなどでアイコン的役割を果たした、芝川照吉愛用の蔵書印に注目しました。ワークショップでは、結果的に参加者が自分の蔵書印を作成しますが、目的はそこではありませんでした。以下のような流れでワークショップを行いました。 まず、蔵書印って何なのか?蔵書印が持つ力とは?といった、蔵書印自体に馴染みがない参加者のために蔵書印について簡単に説明をしました。参加者からも蔵書印について知っている情報などが飛び交い、大いに盛り上がりました。

次に、当館所蔵となった芝川コレクションの中から、芝川が愛用した蔵書印が捺印された書籍を広げて、岸田劉生が贈った蔵書印の印影を観察したり、それがどこに捺されているのかを確認したりしました。


実際の蔵書印の印影を見たあと、その蔵書印を送った作家・岸田劉生と、それを贈られたコレクター・芝川照吉の関係性に迫りました。芝川は岸田劉生の画業を支援したパトロンでした。パトロンの中には、「こんな作品を作ってほしい」とイメージを注文する人もいたそうですが、芝川は作家たちの自由な創作を支援したそうです。それは、(蔵書印自体は劉生が自ら贈ったものか、注文を受けたのかはわかりませんが)蔵書印のデザインにも顕著に現れており、劉生が当時多用したデザインが蔵書印の所々に散りばめられていました。
それに加え、今回特別協力としてワークショップの進行を手伝っていただいた肥山陽子さんには、展覧会に出品されている作品との思い出話、そこから伺える芝川像について話していただきました。

蔵書印作りの際、デザインのヒントとなる要素を集めるため展覧会を鑑賞し、その後講堂で蔵書印作りに挑みました。今回はゴム版ハンコにしました。色々コツはありますが、デザインや彫り方も参加者の皆さんの自由という方針で進めました。





できあがりの印影はみんなで鑑賞しました。名前や制作年が入ったもの、何かのモチーフが描いているもの、多種多様でした。



芝川照吉の人物像がこのワークショップを通して、少しでも伝われば嬉しいです。
(当館研究補佐員 朴鈴子)
このページの先頭へ