ボルゲーゼ美術館展


ラファエロ《一角獣を抱く貴婦人》
ラファエロ・サンツィオ《一角獣を抱く貴婦人》1505–06年
ボルゲーゼ美術館蔵
 イタリア、ローマ市北東部の広大なボルゲーゼ公園に位置するボルゲーゼ美術館は、名門貴族であったボルゲーゼ家歴代のコレクションで知られており、世界に名だたるルネサンス・バロック美術の宝庫と言われています。
 本展は、その珠玉のコレクションから選ばれた、ラファエロやボッティチェリといったルネサンスを代表する巨匠をはじめ、バロック絵画の先駆けであり、「最初の近代画家」とも言われるカラヴァッジョ、そしてジャン・ロレンツォ・ベルニーニら、文字どおりイタリア美術の最盛期を概観できる内容となっています。
 今回はボルゲーゼ美術館のコレクションを日本でまとめてご紹介する初めての試みであり、その多くが日本で初公開の作品です。15世紀から17世紀まで、歴史の推移に沿って作品を見ていただくことで、“輝ける時代”に展開した「表現の変遷」をわかりやすく理解できる構成とします。またローマ教皇と枢機卿を輩出したボルゲーゼ家の歴史に加え、17世紀に建てられた「ヴィラ・ボルゲーゼ」を現在も展示室とする、美術館の壮麗な建築もご紹介します。
 カラヴァッジョやベルニーニのパトロンであった枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼと彼を起点に築き上げられたボルゲーゼ・コレクション誕生の背景を知ることは、ルネサンスからバロックへと至る、歴史上まれに見る時代のうねりと、固有の文化の在り方を日本の鑑賞者が理解していく、得がたい機会になることでしょう。
 およそ250年にわたるイタリア美術の流れを、約50点の名品の数々によってご覧いただく本展は、ラファエロの《一角獣を抱く貴婦人》をハイライトに、カラヴァッジョという「異端者」とその追随者(カラヴァジェスキ)たちが登場する終盤に向けて、われわれに忘れがたい印象を残すものになると確信しております。



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関連イベント
講演会「ボルゲーゼ家と芸術の歴史」
2009年10月31日(土) 午後2時〜3時30分 (当日午前11時から整理券配布)
京都国立近代美術館 1F 講演室
聴講無料、先着100名
主催: 京都国立近代美術館、NHK京都放送局、NHKプラネット近畿
講師: マリア・グラツィア・べルナルディーニ (ローマ美術館特別監督局美術史最高責任者)
※イタリア語逐語通訳付

講演会「ボルゲーゼ美術館とカラヴァッジョ」
2009年11月14日(土) 午後2時〜 (当日午前11時から整理券配布)
京都国立近代美術館 1F 講演室
聴講無料、先着100名
講師: 宮下規久朗 (神戸大学大学院准教授)

講演会「作者を捜せ!ボルゲーゼ美術館と二人の目利き」
2009年11月28日(土) 午後2時〜 (当日午前11時から整理券配布)
京都国立近代美術館 1F 講演室
聴講無料、先着100名
講師: 岡田温司 (京都大学大学院教授)

こどもイベント「親子美術館ナイトツアー」
2009年11月15日(日) 午後6時〜7時頃 (午後5時45分に講演室で集合)
京都国立近代美術館 1F 講演室・3F 展示室
親子対象の鑑賞ツアーを実施します。美術館閉館後、当館主任研究員による主な展示作品の分かりやすい解説のもと、展示室をまわります。
主催: NHK京都放送局、京都国立近代美術館
講師: 山野英嗣 (当館主任研究員)
入場無料、小学生の親子20組
※定員に達したため、募集は締め切りました。
お問い合せ先: NHK京都放送局 TEL (075)841-4321 (平日 午前10時〜午後6時)

コンサート「親子で楽しむ♪イタリアンピアノコンサート」
日時: 2009年12月6日(日)、12月13日(日) 午前11時30分〜午後12時、午後3時〜3時30分
京都国立近代美術館 1F ホワイエ
「ボルゲーゼ美術館展」にあわせ、イタリア製ピアノのコンサートを開催します。ピアノが生まれた国イタリアで作られたピアノの明るく開放的な音色を親子でお楽しみ頂きます。
演奏: 櫟原 藍 (京都市立芸術大学大学院修士課程)
曲目: リスト作曲/巡礼の年第2年「イタリア」より「No. 1 婚礼」、リスト作曲/巡礼の年第2年補遺「ヴィネツィアとナポリ」より「No. 8 ゴンドラの漕ぎ手」「No. 9 カンツォーネ」「No. 10 タランテラ」
入場無料 ※親子に限らず、どなたでもご入場いただけます。
お問い合せ先: NHK京都放送局 TEL (075)841-4321 (平日 午前10時〜午後6時)

NHK BIG ART 《一角獣を抱く貴婦人》
日時: 2009年11月1日(日)〜12月25日(金)
このイベントは、ラファエロの《一角獣を抱く貴婦人》を1,000人の力を合わせて共同制作するもので、1,000分割した作品の1コマを参加者の皆さんに描いていただきます。制作した作品は京都駅ビルに展示します。
※参加者の募集は終了いたしました。
お問い合せ先: NHK京都放送局 TEL (075)841-4321 (平日 午前10時〜午後6時)

日本イタリア京都会館 「ボルゲーゼ美術館展」開催記念特別企画
講演会「ボルゲーゼ家の秘宝・ルネサンスからバロック 〜名門ボルゲーゼ家の繁栄と衰退〜」
2009年11月28日(土) 午後6時〜8時
日本イタリア京都会館 京都本校
一般・受講生 1,500円、個人維持会員 500円
定員50名 先着順 ※定員に達しました。
講師: 宮下規久朗 (神戸大学大学院准教授)
お問い合せ先: 日本イタリア京都会館 京都本校 TEL (075)761-4356
詳細: http://italiakaikan.jp/culture/seminar/index.html#borghe


関連リンク
京都展 公式サイト
 http://bor.exh.jp/

東京展 公式サイト
 http://www.borghese2010.jp/


会期
平成21年10月31日(土)〜12月27日(日)

休館日
毎週月曜日
ただし、11月2日(月)と11月23日(月・祝)は開館

展示作品
ボルゲーゼ美術館展 展示目録



ボルゲーゼ美術館
ボルゲーゼ美術館
ボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)は、ローマ市北東部、ピンチアーナ門の北側に拡がる広大なボルゲーゼ公園(Villa Borghese、約5平方キロメートル)の中に建っています。ローマの名門貴族ボルゲーゼ家のシピオーネ・カッファレッリ=ボルゲーゼ(Scipione Caffarelli-Borghese, 1576–1633)枢機卿によって、1605年に購入されたこの敷地には、もともと葡萄園や菜園、そして厩舎や倉庫、ならびに珍しい動植物を集めた動植物園や鳥舎や噴水があり、さらに17世紀にはすでに、古代彫刻の名品があることで知られていました。彼は広大なこの庭を整備するとともに、古代ローマの荘館に着想を得て、お抱え建築家ヨハン・ファン・サンテン(伊名:ジョヴァンニ・ヴァサンツィオ)とフラミニオ・ポンツィオに依頼し、1612年から15年にかけて、夏の離宮であり彼の芸術コレクションを収め展示する館としてこれを建てさせました。シピオーネ枢機卿が当時の教皇パウルス5世の甥であったことから、大理石で飾られたこの白亜の館は、教皇庁の迎賓館としても使われ、完成直後の1615年には日本の支倉常長率いる慶長遣欧使節団がここを訪れて歓待されています。美術館のコレクションの基礎になっているのは、シピオーネ枢機卿が収集した素晴らしい古代彫刻の数々とルネサンスから彼の生きた時代、つまりバロックにかけての彫刻・絵画です。中でも枢機卿が好んだ彫刻家ジャン・ロレンツォ・ベルニーニと画家カラヴァッジョの作品は点数も多く、この美術館のコレクションの核をなしています。ただ、この館にもともと展示されていたのは、古代美術と彫刻のコレクションと僅かな絵画作品だけであり、ローマ市内中心部にあるボルゲーゼ宮に収められていた絵画コレクションの大半が、ここに展示されるようになったのは1891年のことでした。19世紀になるまでコレクション全体は、貴重な追加購入などがあった以外、散逸することなく奇跡的にほぼ完全な形で保たれていました。しかし、1807年にカミッロ・ボルゲーゼとナポレオンの妹であるパオリーナ・ボナパルトが結婚することで、ナポレオンの圧力により、ボルゲーゼ家はコレクションから古代彫刻やレリーフを中心に約400点もの作品を売却し、それらは現在ルーヴル美術館のボルゲーゼ・コレクションとなっています。その他、17世紀絵画の多くが散逸したと伝えられていますが、現在でもボルゲーゼ美術館には、ベルニーニやカラヴァッジョの諸作品をはじめとして、ラファエロの《一角獣を抱く貴婦人》(1505–06年)や《キリストの埋葬》(1507年)、コレッジョの《ダナエ》(1530/31年)やティツィアーノの《聖愛と俗愛》(1514年)などの名作が収められており、世界で最も著名かつ重要な個人コレクションとしてその名を馳せています。これらボルゲーゼ家のコレクションは、1902年にイタリア国家の管轄下となり、館は美術館として一般に公開されるようになりました。そして1997年には、竣工当時の記録などをもとにして進められた建物の修復工事が完成し、白大理石による往年の輝きが蘇って現在に至っています。



展覧会の構成
序章 ボルゲーゼ・コレクションの誕生
ボルゲーゼ美術館は、教皇パウルス5世の甥として、教皇庁で権勢を誇ったシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の美術コレクションとそれを収めるために建てられた邸宅に端を発します。ここでは、ヴィラ・ボルゲーゼと呼ばれたその建物と庭園の全体像を、ほぼ同時代の版画によって商会するとともに、シピオーネ枢機卿やパウルス5世といったコレクション形成の中心人物の横顔を、絵画・彫刻・モザイクといったさまざまな技法による作品を通して紹介します。

第1章 15世紀・ルネサンスの輝き
古代美術に心酔していたシピオーネ枢機卿は、中世美術にはあまり関心がなかったとみえ、彼のコレクションのほとんどが15世紀後半以降のもので占められています。ここでは、15世紀終わりから16世紀初めにかけて、つまりルネサンス芸術がその若々しい輝きを放っていた時代の作品群を、ラファエロの清冽な作品《一角獣を抱く貴婦人》を中心に、ボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチといったルネサンス芸術興隆の鍵を握る作家の影響を交えてご紹介します。

第2章 16世紀・ルネサンスの実り——百花繚乱の時代
フィレンツェで開花したルネサンスは、その輝きを増しながらイタリア半島各地にさまざまな花を咲かせました。ヴェネツィア絵画の巨匠パオロ・ヴェロネーゼやフェッラーラのドッソ・ドッシ、そしてローマのアンニーバレ・カラッチとその一族、彼らは、ギリシャ・ローマの古代美術だけではなく、当時油彩による描写技術や風景の表現方法では秀でた存在であったフランドル絵画の影響をも貪欲に吸収し、それぞれの地域に根ざしつつ、まさに百花繚乱の如き作品群を生み出しました。

第3章 17世紀・新たな表現に向けて——カラヴァッジョの時代
この章では、17世紀つまりシピオーネ枢機卿がコレクター兼パトロンとして活動を行なっていた時代の作家をご紹介します。シピオーネ枢機卿は、カラヴァッジョの後援者として知られ、《洗礼者ヨハネ》など彼の作品は今なおボルゲーゼ美術館コレクションの重要な位置を占めています。時代は、マルティン・ルターの宗教改革に対する対抗宗教改革の時代であり、伝統的な宗教的主題を光と影の激しいコントラストによって鮮烈に描いたカラヴァッジョの画風は、時代が要請する新たな表現形式として一世を風靡することになりました。



主催
京都国立近代美術館
NHK京都放送局
NHKプラネット近畿

後援
外務省
イタリア大使館
イタリア文化会館

協賛
大日本印刷
三井住友海上火災保険

協力
日本貨物航空、日本航空



観覧料
  当日 前売り 団体(20名以上)
一 般 1400 1200 1100
大学生 1000 800 700
高校生 500 300 300
中学生以下 無料 無料 無料

前売券発売所:チケットぴあ各店舗/ファミリーマート、サークルK・サンクス
(Pコード:688-764)/am pm/ローソン(Lコード:55597)/セブン-イレブン/
JR西日本(近畿・北陸地域)の主な駅のみどりの窓口など
※9月1日(火)より販売開始、11月12日(木)は天皇陛下御即位20年を記念して入館無料



広報資料
プレスリリース  PDF形式(2.42MB)


(2009/08/29)

チラシ PDF(781KB)

(2009/09/11)



巡回先
東京都美術館  平成22年1月16日(土)〜4月4日(日)



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