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展覧会ブラジル:ボディ・ノスタルジア

ブラジル:ボディ・ノスタルジア

 いまや130万人に及ぶ日系社会を持ち、日本と深いつながりを持つブラジル、しかしブラジルの美術、とりわけ、いま世界的な注目を集めているブラジルの現代美術が日本において本格的に紹介される機会は少なかった。この展覧会はブラジル現代美術の原点と現在の多彩な展開を紹介し、将来の両国現代美術のより親密な理解と交流を実現する契機となることを目指して企画された。
 本展では多彩な展開を見せるブラジル現代美術に通底する特徴として「身体への関心」に焦点を絞り、絵画、写真、映像、彫刻、インスタレーションなど様々な表現でこのテーマに取り組んだ9人の作家を紹介した。3人の物故作家(タルシラ・ド・アマラル、リジア・クラーク、ミラ・シェンデル)にその「身体」に対する問題意識の原点を見いだし、6人の現代作家がそれをいかに継承し、展開してきたかを辿ることで、時代を超えて連なるブラジル美術のユニークな創造性が明らかにされた。「ボディ・ノスタルジア」というタイトルには、ブラジルの過酷な「歴史と現実」が刻み込まれた身体、そして、身体を媒介として獲得する「希望」という意味が込められている。大画面の映像とオブジェによる空間構成、観客が内部を通過したり実際に装着する作品など、従来にない体験型の展示は来館者に好意的に受け入れられ、過剰なまでのエネルギーの発散と繊細な感受性が共存するブラジル現代美術の特徴が、十分に観客に伝えられたと確信する。

会期
8月17日―9月20日(31日間)
入場者数
6,975人(1日平均225人)
共催
東京国立近代美術館
出品作品数
41点
カタログ
『ブラジル:ボディ・ノスタルジア』/22.2×15.3cm/177頁
編集・発行:東京国立近代美術館/デザイン:柿木原政宏、前沢拓馬
所収論文
「ブラジル:ボディ・ノスタルジア」鈴木勝雄、「ブラジルのモダニズム:前衛とナショナル・アイデンティティ」鈴木勝雄、「自由のためのエクササイズ―1950―64年のブラジル美術」三輪健仁、「困難な時代のアート 1964―80年前後」アラシー・アマラル、「身体への憧憬―過去そして現在」リゼッチ・ラグナード
巡回先
東京国立近代美術館

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