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展覧会デカダンから光明へ 異端画家 秦テルヲの軌跡―そして竹久夢二・野長瀬晩花・戸張孤雁…

デカダンから光明へ 異端画家 秦テルヲの軌跡―そして竹久夢二・野長瀬晩花・戸張孤雁…

 当館は開館以来、京都ゆかりの近代日本画家の展覧会を開催してきた。その実績により、しばしば作家のご遺族から作品や資料を寄贈いただいており、明治末から昭和にかけて京都画壇で活躍した秦テルヲの資料、作品も20年ほど前にまとまって館に寄贈された。しかし、どの美術団体にも属さず、個展のみで発表を続けたテルヲは当時殆ど忘れられた存在となっており、展覧会を開催するには時期が早かったことから、当館では常設やテーマ展に展示し、研究を発表することを続けてきた。その甲斐あって美術関係者を中心にテルヲへの注目が集まり始め、作品も少しずつ世の中に出始めたことから、この度回顧展を開催することとなった。今展は、まとまったかたちでは初めての紹介であったので、どのような画風の変遷を辿ってきたのかを理解し易いよう、時代順に作品を展示し、各章に解説パネルをつけて、その時代、時代の特色を簡単に掴めるようにした。作品だけでなく、資料やスケッチ類も併せて展示、図録にも掲載し、この展覧会を機会によりテルヲの研究が進むよう配慮した。また、テルヲの画業の初期に影響を与え、あるいは一緒に活動した画家の作品を、敢えてテルヲの作品とその他の作家の作品を分けずに展示した。こうする事によってそれぞれの相似点と相違点が鮮明になり、テルヲの個性をよりよく理解できたことと思う。
 地元紙である京都新聞を主催に加えたことにより、市民からの反応が良く、探す事が困難であった個人所蔵のテルヲ作品や資料が会期中に次々と発見されたことは非常に喜ばしいことであった。発見された作品は、可能な限り追加展示した。
 なお本展は、笠岡市立竹喬美術館で9月6日から10月13日まで、練馬区立美術館で10月21日から11月30日まで開催された。

会期
12月9日―2004年1月25日(33日間)
入場者数
12,350人(1日平均374人)
共催
日本経済新聞社、京都新聞社
出品作品数
198点
カタログ
『デカダンから光明へ 異端画家 秦テルヲの軌跡―そして竹久夢二・野長瀬晩花・戸張孤雁…』/29.5×22.5cm/234頁
編集:上薗四郎(笠岡市立竹喬美術館)、野地耕一郎(練馬区立美術館)、島田康寬、小倉実子(京都国立近代美術館)、日本経済新聞社/デザイン:大向務/発行:日本経済新聞社
所収論文:「秦テルヲの足跡を辿って」島田康寬、「秦テルヲのデカダン」上薗四郎、「テルヲの東京―漂泊の果てに光明を視た」野地耕一郎
巡回先
笠岡市立竹喬美術館、練馬区立美術館

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