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展覧会ヨハネス・イッテン―造形芸術への道

ヨハネス・イッテン―造形芸術への道

 本展は、当館の1999(平成11)年度特別展「日本の前衛1900―1940」の開催に際し、わが国と海外の前衛表現交流の一事例と位置づけたヨハネス・イッテンについて、その出品交渉を行う過程で、イッテン財団を擁するスイスのベルン美術館並びにイッテン家遺族から、計画中であるイッテンの美術教育に関する国際巡回展の、日本における開催可能性を打診されたことにはじまる。
 その後この展覧会は、イッテン財団によって具体化され、2002年の11月にドイツのザールブリュッケン、翌春ベルン美術館で開かれた。そして、当館がわが国での巡回担当館となり、本展を2003年度の当館特別展として位置づけ、宇都宮美術館と東京国立近代美術館でも開催の運びとなったものである。
 わが国でヨハネス・イッテンの名は、初期ワイマール・バウハウスの指導者のひとりとして、その独自の造形論と色彩論で、とりわけ美術教育界においてよく知られている。しかしながら、これまでわが国では、イッテンのまとまった作品の紹介はもちろんのこと、その教育実践についても、実作例に基づいて検証される機会はなかった。そこでわが国の開催にあたり、美術教育の成果をイッテンのもとで学んだ弟子たちの作品約200点で探る、イッテン財団の巡回企画「造形芸術への道」を第Ⅰ章とし、第Ⅱ章としてわが国独自に、イッテンの油彩、版画、素描、立体作品80点を集めた「ヨハネス・イッテンの世界」を加え、さらに「イッテンと日本」の関連を示す章を含めた3部構成で、イッテンの全体像がふりかえられるよう再編した。
 また会期中、宇都宮美術館学芸課長岡本康明氏による、イッテンのベルリンにおける想定再現授業、並びに今日の学校現場におけるイッテンの美術教育の意義をテーマとしたシンポジウムを開催した。

会期
10月21日―11月30日(36日間)
入場者数
16,115人(1日平均448人)
共催
東京国立近代美術館
出品作品数
360点
カタログ
『ヨハネス・イッテン―造形芸術への道』/26.0×18.0cm/347頁
編集:山野英嗣(京都国立近代美術館)/デザイン:西岡勉/発行:京都国立近代美術館
所収論文:「ヨハネス・イッテン 橋の架設者」マティアス・フレーナー、「生成の根源へ―『ヨハネス・イッテン 造形芸術への道』展に寄せて」向井周太郎、「造形芸術への道」ドロレス・デナーロ、「ヨハネス・イッテンと日本」山野英嗣
巡回先
宇都宮美術館、東京国立近代美術館

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