展覧会ウィーン美術史美術館名品展~ルネサンスからバロックへ~
ウィーン美術史美術館名品展~ルネサンスからバロックへ~
当館はこれまでにも、「シエナ美術展」(2001年)や「フィレンツェ・ルネサンス芸術と修復」(1991年)「ブリューゲルとネーデルランド風景画展」(1990年)をはじめ、随時ヨーロッパ古典美術の紹介にもつとめてきた。
本展覧会は、ヨーロッパ有数の美術の都、ウィーンのシンボルともいうべき「美術史美術館」の壮大なコレクションのなかから、13世紀から700年にわたって継承され、現在同館の中軸をなす旧ハプスブルク家歴代の諸侯が蒐集したルネサンスからバロックにかけての作品が出品された。なかでもこれまで門外不出とされた初期ルネサンスからデューラーやクラナハ、そしてアルチンボルドなどの板絵作品22点が、わが国ではじめてまとめて公開され、これにティツィアーノやベラスケス、ルーべンスなど、わが国にも馴染み深い画家たちを含んだ65作家81点という構成であった。
また、本展でも、先の「カンディンスキー展」で企画し好評であった親子を対象とした鑑賞講座を閉館後に2度開催し、出品作家のアルチンボルドの作品にちなんだ、小学生のためのワークショップも開いて多数の参加者を得た。とりわけ本展では、団体鑑賞グループに対し作品解説を行う機会も多く、そうした解説会では、美術作品のみならず、美術史美術館の向かいに同じ建物デザインで建つ「自然史博物館」のコレクションとの関連から、今日のミュージアムの基盤を築いたハプスブルク家の森羅万象にわたる万物の蒐集についても、あわせてその意義を説く貴重な場となった。
- 会期
- 2003年1月11日―3月23日(62日間)
- 入場者数
- 102,376人(1日平均:1,651人)
- 共催
- NHK京都放送局、NHKきんきメディアプラン
- 出品作品数
- 81点
- カタログ
- 『ウィーン美術史美術館名品展 ルネサンスからバロックへ』/29.5×22.8cm/199頁
編集:薩摩雅登(東京藝術大学)、NHK、NHKプロモーション/発行:NHK、NHKプロモーション
所収論文:「美術史美術館絵画ギャラリーの歴史」カール・シュッツ、「人間・自然・美:ルネサンスからバロックへ」千足伸行、「ルドルフ2世―時代を体現したコレクター」薩摩雅登 - 巡回先
- 東京藝術大学大学美術館
このページの先頭へ