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展覧会スーラと新印象派―光と点描の画家たち

スーラと新印象派―光と点描の画家たち

 本展覧会では印象派を引き継ぎ、細密な点描技法と光学理論に基づく新たな絵画を創出したジョルジュ・スーラそしてスーラに代表される新印象派の画家たちの絵画を一堂に紹介した。
 1886年、スーラは最後の印象派展となった第8回印象派展に大作《グランド・ジャット島の日曜日の午後》を出品する。光と輝きに満ちたこの作品は印象派に続く表現を模索していた若い画家たちに新鮮な衝撃を与えた。その影響はフランス一国にとどまらずヨーロッパ全域に及び、各国にその表現を独自に展開する画家たちの集団が現れた。今日、彼らは新印象派と総称されている。この一方、点描技法はマティスやドランらフォーヴィスムの画家たちにも採用され、20世紀の絵画へと道を開くこととなった。
 新印象派を代表するスーラは31歳という若さで夫折したため、遺された作品は少なく、また制作のための時間や手間と比例して、新印象派に分類される作家たちが遺した作品も決して多くはない。本展では世界各地から借用したスーラの作品に加え、シニャックやピサロ、ゴッホといったよく知られた画家からベルギーのレイセルベルへ、ヴァン・デ・ヴェルデといった比較的知られることのない画家まで23人の作家、100点余りの作品を展示して、展覧会として構成することの難しいテーマに挑み、大きな反響を呼んだ。
 また会期中、4階の常設展示において日本における点描技法の画家たちの作品を特集展示し、この技法の東洋に及ぶ世界的な広がりを検証した。

会期
9月10日―10月20日(36日間)
入場者数
51,488人(1日平均1,430人)
共催
NHK京都放送局、NHKきんきメディアプラン、読売新聞大阪本社
出品作品数
107点
カタログ
『スーラと新印象派』/30.2×23.0cm/317頁
編集:奥野克仁(高知県立美術館)、青木理(宇都宮美術館)、尾崎信一郎(京都国立近代美術館)、中島啓子(安田火災東郷青児美術館)、田口勝也(アプトインターナショナル)/デザイン:近藤一弥/発行:アプトインターナショナル
所収論文:「イントロダクション―ジョルジュ・スーラと新印象主義」クリストフ・デュヴィヴィエ、「新印象主義と、その基準となる幾つかの化学理論について」クリストフ・デュヴィヴィエ、「ジョルジュ・スーラ(1859―1891)」ジョン・G・ハットン、「スーラとアナーキズム」千足伸行、「ジョルジュ・スーラ―点描のユートピア」坂上桂子、「ポール・シニャック―人と芸術」千足伸行、「ピサロの新印象主義」ヨアヒム・ピサロ、「ファン・ゴッホと点描主義」ロナルド・ピックヴァンス、「スーラ、シニャックと『20人会』―ベルギーにおける新印象主義の普及と変容」ジェーン・ブロック、「『自由美学』とその展覧会」セルジュ・ル・バィイー・ド・ティルゲム
巡回先
高知県立美術館、宇都宮美術館、損保ジャパン東郷青児美術館

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