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展覧会アメリカ現代陶芸の系譜1950―1990 自由の国のオブジェとうつわ

アメリカ現代陶芸の系譜1950―1990 自由の国のオブジェとうつわ

 当館では、近・現代の美術のみならず工芸の歴史や新しい動向にも絶えず注目し、数多くの展覧会を開催してきた。この展覧会はアメリカ現代陶芸1950年―90年までの40年間を概観する展覧会であり、我が国において網羅的に紹介されるアメリカの現代陶芸としては初めての展覧会であった。
 第2次世界大戦以前のアメリカ陶芸は、ヨーロッパを規範として技術を重んじる傾向が強くあったが、戦後は状況が大きく変化した。ピーター・ヴォーコス、ルディ・オーティオらがそれまでの陶芸の技法的な常識を破るきわめて自由で彫刻的な陶芸作品を制作した。これらは1950年代、ニューヨークの美術界を風靡したジャクソン・ポロックらの行動の軌跡を示す作画法になぞらえて抽象表現主義的陶芸と称された。またセラミックが器物を連想することからクレイ・ワークとも呼ばれ、土を用いた新たな造形表現として注目さた。また、浜田庄司の訪米を通じ、日本の民芸が紹介され民芸風の陶器が作られたり、日本の楽焼きにヒントを得た作品も制作された。さらに、マーケットの食品を焼きもので作るなどポップ・アート風の作品も現れてきた。
 このような状況を調査研究し、本展は、1950年代から90年代にかけて制作された63名の陶芸家による131点の作品を通して、戦後大きな変貌を遂げてきたアメリカ陶芸の約40年の歩みを紹介した展覧会であった。

会期
7月30日―9月1日(30日間)
入場者数
8,354人(1日平均278人)
共催
日本経済新聞社
出品作品数
131点
カタログ
『アメリカ現代陶芸の系譜1950―1990―自由の国のオブジェとうつわ―』/25.7×18.4cm/191頁
編集:愛知県陶磁資料館、京都国立近代美術館、日本経済新聞社/デザイン:大向務、今西久(大向デザイン事務所)/発行:日本経済新聞社
所収論文:「アメリカ現代陶芸と日本」内山武夫、「アメリカの陶芸 1950―1990:その概況を振り返って」ヘレン・W・ドラット・イングリッシュ、「故・豊田勝業氏コレクションについて」松原龍一、「現代陶芸1950―70年―アメリカと日本 ピーター・ヴォーコスとトシコ・タカエズを中心に」松原龍一、「1980年以降の陶芸―日本とアメリカ―」唐澤昌宏
巡回先
愛知県陶磁資料館

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