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展覧会カンディンスキー展 抽象絵画への道 1896―1921

カンディンスキー展 抽象絵画への道 1896―1921

 当館では1987年にカンディンスキーの回顧展を開催し、好評を博したが、今回はカンディンスキーがまさに「抽象絵画」へと突入する時代に焦点を絞り、しかも出品作品すべてがロシア連邦及びアルメニア共和国の13の美術館が所蔵する74点の作品によって構成され、そのほとんどがわが国初公開という貴重な場を、再度提供することとなった。
 なかでも圧巻は、ヨーロッパ以外でのはじめての展示となる《コンポジションVI》(エルミタージュ美術館蔵)と《コンポジションⅦ》(トレチャコフ美術館蔵)の代表作が含まれたことで、当館ではこの神秘のベールにおおわれた大作2点を、鑑賞者も集中できるよう、黒い展示壁面をしつらえ独立したコーナーに陳列した。両作品は、それぞれ「ノアの洪水」「終末と復活」をテーマとした作品だとされているが、しかしこうした劇的な展示効果のなかに、2点の作品を並べることによって、作品自体が発する「色彩と形態との乱舞」を体感し、あらためて「絵画鑑賞」そのものの意味を問いかけようとした。
 また、一般には未だ敬遠されがちな「抽象絵画」への理解を促すため、はじめて閉館後特別に、親子のための鑑賞講座を2度企画した。出品作品のなかから、先の「コンポジション」の大作2点をはじめ、代表作例10点を選び、作品の前に車座になって解説を行う機会を設けた。その他にも関連事業として、2回の講演会のほか、「KANDINSKY DANCE」と題したコンテンポラリー・ダンスをロビーや会場で開催するとともに、館外でも鑑賞講座を開くなど、「抽象絵画」理解の一助となるような普及事業を積極的に展開したことも特筆できよう。

会期
6月8日―7月21日(38日間)
入場者数
67,047人(1日平均1,764人)
共催
NHK京都放送局、NHKきんきメディアプラン
出品作品数
74点
カタログ
『カンディンスキー展』/29.0×24.1cm/205頁
編集:市川政憲、鈴木勝雄、中林和雄(東京国立近代美術館)/デザイン:笠原香苗/発行:NHK、NHKプロモーション
所収論文:「ロシアとドイツ美術の文脈で見る1900-1910年代のカンディンスキー」ドミトリイ・サラビヤーノフ、「カンディンスキー、時代の子」中林和雄、「カンディンスキーとロシア―1913年の戦略」鈴木勝雄、「カンディンスキーの作品を訪ねて」新田喜代見
巡回先
東京国立近代美術館、福岡市美術館

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