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展覧会銅版画の巨匠 長谷川潔展

銅版画の巨匠 長谷川潔展

 第一次世界大戦終結後フランスに渡り、89歳で没するまで60年間、故国の地を踏む事なくパリに客死した長谷川潔(1891―1980)の回顧展である。
 長谷川は早くから創作版画の草分けとして知られたが、渡仏後銅版画に専念し、ビュラン、アクアタント、ポアント・セーシュなどのあらゆる技法において優れた作品を残した。とりわけ、すでに忘れられていたマニエール・ノワールを近代版画の技法として復活させたことで世界的に高い評価を受けている。また長谷川はすぐれた油彩画家としても知られ、サロン・ドートンヌの会員にも挙げられている。
 本展では、当館の約190点に及ぶ長谷川作品の自選コレクションの全貌を10年ぶりに紹介した。
 本展は当館における大規模な回顧展の3回目となる。第1回展(1980)は長谷川生前の最初で最後となったもので、この展覧会により、日本では未紹介であった長谷川の画業の全貌が初めて広く知られる契機となり、没後10年を記念した第2回展(1991)は長谷川ファンをより多くする機会となったが、今回はそれからさらに10年を経てその全貌を改めて見たいという多くの鑑賞者の要望に応えるものであった。会場はシンプルな構成の中に作品を浮かび上がらせ、要所要所に作家の言葉をパネルとして掲示し、静謐な雰囲気の中で作品の中に流れる長谷川の自然観、世界観を感じ取れるように考慮した。

会期
2月21日―4月7日(40日間)
入場者数
8,807人(1日平均220人)
出品作品数
188点
カタログ
『京都国立近代美術館所蔵品目録〔III〕長谷川潔』(1991年発行)を使用

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