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展覧会生誕100年記念 小松均展

生誕100年記念 小松均展

 小松均(1902―1989)は山形県に生まれ、1920年上京して川端画学校で日本画を学ぶが、1924年第4回国画創作協会展に入選すると、翌年京都に移り土田麦僊に師事する。1928年の同協会解散後は院展に出品、以後数少ない京都の院展画家の一人として活躍し、1986年には文化功労者として顕彰されている。本展は、小松の生誕百年を記念し、京都をはじめとするゆかりの地を巡回する没後初の大規模な回顧展として企画した展覧会である。《最上川》《富士山》《大原》の連作に見られるような小松独自の水墨によるパノラマ式の屏風作品など、大自然を野趣あふれる個性的な画風で表現した小松均の生涯の代表作60点(京都会場は58点)をほぼ時代順に展示し、その全画業を紹介した。特に「大原」「富士山」「最上川」の連作はそれぞれまとめて展示し、簡単な解説パネルをつけて理解を促した。
 戦後の代表作はほぼ行方が判明しているが、戦前の作品は行方不明のものが多く、探索につとめたが出品できなかったのは残念であった。そこで、今後の調査活動に期待して、図版が残っている行方不明作品については可能な限り図録に掲載した。その過程で現存作品の多くが後年加筆されていたことが分かったのは、思わぬ収穫であった。
 本展は当館が中心となり企画実施されたもので、宮城県美術館で立ち上がり、当館開催後は山形美術館、富山県水墨美術館に巡回した。

会期
10月30日―12月9日(36日間)
入場者数
16,937人(1日平均470人)
共催
読売新聞大阪本社、読売テレビ
出品作品数
60点
カタログ
『生誕100年記念 小松均展』/29.0×26.0cm/175頁
編集:京都国立近代美術館、読売新聞大阪本社/発行:読売新聞大阪本社
所収論文:「修行の画家―小松均の芸術」内山武夫、「小松均の遠い道程―己の墨画を求めて―」島田康寬、「小松均《八瀬》をめぐって―大原女・南洋憧憬・ユートピア―」庄司淳一、「富山と小松均―書簡にみる小松均」福井文夫、「小松均の最上川連作」岡部信幸、「小松均展によせて」甲田美憲
巡回先
宮城県美術館、山形美術館、富山県水墨美術館

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