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展覧会前田青邨展

ルネ・ラリック 1860-1945展

 前田青邨(1885―1977)は岐阜県中津川市に生まれ、16歳の時画家を志して上京、梶田半古塾に入門する。1914年には日本美術院の再興に参加して、大和絵の伝統を軸に古今東西の美術を統合した明快でスケールの大きい歴史画や花鳥画を発表し、1955年には文化勲章を受章するなど、近代日本画壇を代表する画家として活躍した。本展は、画壇に登場した年に描かれたと推定される《巴》から最晩年作《天正貴婦人像》までの代表作86点に、本画とは別趣の魅力を持つ下絵やスケッチ20点をあわせてほぼ年代順に展示し、青邨芸術の全貌を回顧するものである。
 京都や関西にゆかりのある作家の展覧会を主に開催してきた当館としては、東京の院展作家の個展を開催することは珍しいことであり、京都における前田青邨の回顧展は、1979年以来のことであった。青邨の作品を直に見る機会が少ない関西の鑑賞者のために、過去の青邨展にも殆ど出品されなかった大倉集古館の《洞窟の頼朝》を展示するなど、実作品が持つ魅力に少しでも多くふれてもらえるよう配慮した。例えば、青邨作品の特徴の一つである画巻形式の作品は、全巻見ることができるよう長めの展示ケースを用意して頻繁に巻替えを行い、図録には全図を掲載した。また、ヴァチカンに寄贈された《天正貴婦人像》が青邨展としては久し振りに里帰りしたことも話題を呼んだ。
 なお、本展は当館開催後、愛媛県美術館、笠岡市立竹喬美術館へ巡回した。

会期
4月24日―6月3日(37日間)
入場者数
27,473人(1日平均743人)
共催
日本経済新聞社
出品作品数
106点
カタログ
『前田青邨展』/29.8×22.5cm/206頁
編集:京都国立近代美術館、愛媛県美術館、笠岡市立竹喬美術館、日本経済新聞社/デザイン:大向務、今西久(大向デザイン事務所)/発行:日本経済新聞社
所収論文:「前田青邨先生の二つの思い出」平山郁夫、「前田青邨―その時代を超えた晴朗な画風」内山武夫、「前田青邨の人と芸術」島田康寬、「青邨の渡欧―その目的と成果―」上薗四郎、「梶田半古画塾のこと―前田青邨の修行時代」梶岡秀一
巡回先
愛媛県美術館、笠岡市立竹喬美術館

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