学習支援活動

京都市立銅駝美術工芸高校 新入生美術入門研修 実施報告


日時
2017年5月9日(火)午前9時20分〜12時10分

会場
京都国立近代美術館

参加人数
1年生92名、引率5名

 今年も、京都市立銅駝美術工芸高校の1年生を対象とした「美術入門研修」を実施しました。
 はじめに、美術館の基本的な活動や当館の沿革、そして当館のコレクションについて簡単に紹介しました。その後、施設のバックヤード見学、および企画展「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」とコレクション展の鑑賞を行いました。鑑賞にあたっては「目と手で写そう」ということで、生徒たちは気になった作品をスケッチしながら会場を見てまわりました。

銅駝美術工芸高等学校 新入生美術入門研修 銅駝美術工芸高等学校 新入生美術入門研修

 今回、特に印象に残ったのは、生徒たちがスケッチを描き進めながら次々と新しい発見をしていったことです。スケッチをするために細部まで観察することが、同時に鑑賞を深める助けになっていたようです。
 たとえば、バレリーナをかたどったクリップ(ブローチ)を写し取りながら「角度によって石の輝き方が変わって見える」ことを発見したり、龍や伊勢海老の自在置物について、関節を動かすことができるという仕組みに気づいたり。「宙に浮いているような飾り方が面白い」と、展示方法に興味を持つ子もいました。

銅駝美術工芸高等学校 新入生美術入門研修

 また、多くの生徒が作品についての感想を友だちと共有し、「何でできているんだろう」「どうやって作ったんだろう」と話し合っていました。1人で静かに鑑賞した後、見つけたものや感じたことを他人と共有しながら作品の見方を深めるといった「対話による鑑賞」は、学校の授業や美術館でのプログラムとしてしばしば行われます。その場合、教員や学芸員が進行役を務めることが多いのですが、今回は生徒たちが自ら積極的に意見交換しながら自発的に作品と向き合っていた姿が印象的でした。

銅駝美術工芸高等学校 新入生美術入門研修

 同校では様々な授業の中で、グループで意見交換するといった「対話的な学び」を取り入れているそうです。今年の研修は、「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」の会期に合わせて、例年よりも約1か月遅れての開催となりましたが、これまでの学校生活の中で身につけた習慣が、展覧会鑑賞でも生かされていたのではないでしょうか。そして今回の研修をきっかけに、これから美術や工芸について専門的に学んでいく中で、折にふれて美術館に足を運んでもらえればと思います。

(当館特定研究員 松山沙樹)



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