ページを閉じる
陶片 No.26

陶片からなにがみえるかな?

ヒツジ_ノ_ヨツアシ

テキスト:中村裕太

石黒は石膏型を用いた成形を好んでいた。押し型によって牛や羊の水滴を作っていた。それだけでなく、コーヒーカップのハンドルや急須のそそぎ口、表具の軸棒などもわざわざ割り型にし、バリを残して成形している。この陶片は、羊の四つ足部分である。前足とも後足とも区別がつかないが、四足の足裏は、丁寧に白化粧がふき取られている。型の内側は少し荒い作りである。型同士を合わせる時の乾き具合がよくなかったのか焼成時に分離したのだろう。八木一夫はオブジェ作りに石膏型を多く用いているし、背中をくねらせた虎の置物も作っている。

別の視点から見る
八木一夫《虎》
八木一夫《虎》1973年、京都国立近代美術館所蔵

ABCコレクション・データベース vol.1 石黒宗麿陶片集

本コンテンツには音声が含まれます。