このコンテンツでは、本ウェブサイトに関連する展覧会「中村裕太 ツボノナカハナンダロナ?」の情報を掲載しています。

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感覚をひらく——新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業
エデュケーショナル・スタディズ02
中村裕太 
ツボ_ノ_ナカ_ハ_
ナンダロナ?

石黒宗麿(1893-1968)は、1936年に京都市左京区八瀬に「八瀬陶窯」を築窯し、晩年までこの地を拠点に陶器作りを続けてきました。石黒は、1955年に鉄釉陶器の技法による重要無形文化財保持者(人間国宝)として認定されたことを機に、中国や朝鮮の古陶磁を逐った近代的な個人作家として紹介されてきました。ところが、石黒の手によってこの土地に捨て去られた陶片からは、陶器作りに苦心する新たな一面を見出すことができます。

京都国立近代美術館では、見える・見えないに関わらず誰もが楽しめる作品鑑賞のあり方を探る「感覚をひらく——新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業」を行っています。2020年度より、作家(Artist)、視覚障害のある方(Blind)、学芸員(Curator)がそれぞれの専門性や感性を生かし、さまざまな感覚を使う鑑賞方法を創造する「ABCプロジェクト」を立ち上げました。

本プロジェクトは、陶片を発掘することから始まり、中村裕太は陶片の研究とその制作、安原理恵は陶片を触察し言葉にすることで、石黒の陶器作りを解きほぐしてきました。さらに、それらの考察をもとに、学芸員は当館のコレクションとのつながりを再構築してきました。本展では、手や耳の感覚を研ぎ澄ませ、壺のなかに入ったひとつひとつの陶片に触れることで、当館所蔵の石黒宗麿《壺「晩秋」》の新たな鑑賞方法を探っていきます。

展覧会情報

会場
京都国立近代美術館4階
コレクション・ギャラリー
アクセス情報
会期
2020年12月24日(木)
2021年3月7日(日)
休館日
月曜日、年末年始(12月28日~1月5日)、および1月12日(火)
※ただし1月11日(月・祝)は開館
主催
京都国立近代美術館
特別協力
京都精華大学 
伝統産業イノベーションセンター
〈八瀬での陶片発掘〉2020年 撮影:表恒匡
〈八瀬での陶片発掘〉2020年 撮影:表恒匡
石黒宗麿《壺「晩秋」》1955年頃
石黒宗麿《壺「晩秋」》1955年頃

作家プロフィール

中村裕太(なかむら・ゆうた)

1983年東京生まれ、京都在住。京都精華大学芸術学部特任講師。2011年京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。近年の展示に「第8回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」(クイーンズランド・アートギャラリー、2015年)、「第20回シドニー・ビエンナーレ」(キャレッジワークス、2016年)、「あいちトリエンナーレ」(愛知県美術館、2016年)、「MAMリサーチ007:走泥社—現代陶芸のはじまりに」(森美術館、2019年)、「表現の生態系:世界との関係をつくりかえる」(アーツ前橋、2019年)。著書に『アウト・オブ・民藝』(共著、誠光社、2019年)

鑑賞体験
「壺のなかはなんだろな?」

イベント概要

展覧会の会期中、考古学が専門の学芸員Mさん、陶芸家のYさん、小学6年生のKさんが「ツボ_ノ_ナカ_ハ_ナンダロナ?」を体験しました。壺のなかに入った陶片をそれぞれの切り口で言葉にし、意見を交わしながら鑑賞を深めていきました。

壺のなかに入っていた陶片

奥付

  • 陶片写真:表 恒匡
  • 映像制作:ViDeOM
  • フライヤーデザイン・カタログサイト制作:
    Studio Kentaro Nakamura

ABCコレクション・データベース vol.1 石黒宗麿陶片集

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