陶片はどんなコレクションと
つながるかな?
カラダを感じながら
テキスト:
壺の特定の部分について説明するとき、「口」「首」「耳」「胴」と、身体をあらわす言葉を使うことがあります。「首がきゅっとしまっている」とか「胴の部分がぽってりしている」とか・・・。身体になぞらえて話していると、だんだんと壺が人の身体のように感じられてくるかもしれません。
ところで京都国立近代美術館のコレクションには、こうした「見立て」を超えて、なんと実際に人の身体をあしらってしまった!という作品が。それが、スタンリー・タイガーマン《ティー&コーヒー・ピアッツァ》。お盆に「手」がついていたり、コーヒーポットとティーポットの持ち手が「おさげ」だったりと、作家の遊び心を感じさせるデザインになっています。
この作品は、1980年代にイタリアのアレッシィ社が11人の建築家にデザインを依頼したテーブルウェア・セット「コーヒー&ティー・ピアッツア」のひとつ。「ピアッツァ」とはイタリア語で市民広場の意味で、都市と人間の関わりをめぐる建築家たちのアイデアが、それぞれの遊び心やユーモアをまじえつつあらわされています。