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陶片 No.7

陶片からなにがみえるかな?

スナ_ノ_アワセ

テキスト:中村裕太

石黒は1929年から翌年の春まで唐津に滞在した。唐津焼には梅花皮(かいらぎ)という釉薬の縮れを見どころとした技法がある。石黒は晩年までこの技法をよく手がけている。清水卯一によると、鉄分と砂っ気の多いざらっとした土をこしらえ、茶碗の高台を削った部分に長石と木灰の釉薬を厚く掛けると縮れが生じやすくなるという。厚く掛けると縮れが激しく、薄く掛けると流れてしまう。この陶片は思いのほか縮れてしまったのだろう。砂っぽい素地が露わになっている。

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粘土に砂を練り込む石黒宗麿
〈粘土に砂を練り込む石黒宗麿〉射水市新湊博物館提供

ABCコレクション・データベース vol.1 石黒宗麿陶片集

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