映像:だんだん
触察:安原理恵
このコンテンツでは、八瀬陶窯から掘り起こした石黒宗麿の陶片を、作家(Artist)、視覚障害のある方(Blind)、学芸員(Curator)がそれぞれの専門性や感性を生かして読み解き、さまざまな感覚を使う鑑賞方法を創造していきます。
ページを閉じる触察:安原理恵
テキスト:中村裕太
小山冨士夫は、石黒が京都の古美術「柳孝」で絵唐津の大平鉢の陶片を35万で購入したことを『骨董百話』に記している。石黒が亡くなった後、妻のとうから小山に形見としてその陶片が手渡されている。小山はその陶片を庭の窯の軒下に釘付けしたという。この陶片は、石黒が所有していた陶片に同じく、筆先の長く硬い細筆で松の枝ぶりが描かれている。八瀬の庭には松は植えられていないが、妻のとうが勤しんでいた菜園の様子を絵唐津の模様として銘々皿に描いている。
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