京都国立近代美術館「さわるコレクション」

京都国立近代美術館「さわるコレクション」

 京都国立近代美術館に所蔵される代表作を選び、さわる図(触図)と文章で紹介する教材「さわるコレクション」を製作しました。
 その作品に描かれている内容や、陶芸作品などの形をさわって知っていただける「さわるシート」と、図だけでは表せない作品の色や技法、あるいは制作背景などを記した「文字情報」の二つで構成されています。文字情報は、点訳してエンボス印刷した点字シートとなっています。この二点が、点字シートと同じ内容を拡大文字でも印刷した紙製ファイルに収められています。また、「さわるシート」の印刷には、各作品の特徴を表現するために適した印刷技術を検討し、いずれも異なる印刷の手触りになっていることも特徴です。

 「さわるコレクション」は、希望される方への送付も行っています(送料着払い)。申込書に必要事項を記入の上、FAXまたは郵送でお申し込みください。
「さわるコレクション」申込書ダウンロード(PDF形式:636KB)
*2017年度版については在庫切れのため配布を終了いたしました。

さわるコレクション 紹介

写真をクリックすると大きく表示されます。

2019年度版

棟方志功《二菩薩釈迦十大弟子》より〈文殊菩薩〉・〈優婆離〉昭和14(1939)年

さわるコレクション 棟方志功《二菩薩釈迦十大弟子》より〈文殊菩薩〉・〈優婆離〉 昭和14(1939)年
「さわるシート」の印刷:エンボス印刷(2 段階)(有限会社コスモテック)
金属の版で、紙の表面を押し出す、あるいは凹ませる技術。違う版で2回のプレスをかけることで2段階の高さでより立体感を表現しました。今回は、2段階のプレスを効果的に使うことができ、この技術をつかったことの優位性を実感する仕上がりとなりました。

井田照一《Weekday》昭和43(1968)年


井田照一《Weekday》昭和43(1968)年
「さわるシート」の印刷:「厚紙を重ねる」(印刷:常盤印刷紙工株式会社)
リトグラフによる、色のムラもなくシャープな印象をなるべく手触りでも表現するために、厚紙を貼り合わせ、エッジの効いた線を表現するよう工夫しました。

リチャード・スリー《かたむいた角》昭和62(1987)年


リチャード・スリー《かたむいた角》昭和62(1987)年
「さわるシート」の印刷:「ペーパークラフト」(印刷:常盤印刷紙工株式会社)
美術作品のもつ、日常にはない複雑な形の魅力を楽しみながら知ってほしいという思いを込めて、ペーパークラフトを採用しました。選択できる紙の種類も広く、作品の印象にあわせて選びました。

制作協力:京都教育大学(准教授 日野陽子、大学院教育学研究科2回生 太田風人、方山慎太郎、坂本湧一)、ミュージアム・アクセス・ビュー

2018年度版

川端龍子《曲水図》昭和16(1941)年

さわるコレクション 川端龍子 曲水図 昭和16年(1941)年
「さわるシート」の印刷: UV 印刷(東美企画)+カット紙(常盤印刷紙工株式会社)
紫外線をあてると硬化する樹脂製のインクをつかい、凸状の印刷を可能とする技術。品質によっては、点字印刷にも応用可能。それに岩の質感をもつ用紙をカット紙で貼り付けました。

八木一夫《距離》昭和49(1974)年

さわるコレクション 八木一夫 距離 昭和49(1974)年
「さわるシート」の印刷:点図(社会福祉法人日本ライトハウス)
点字印刷と同様の印刷技術により、連続する点で線を表現しています。点の大きさには種類も選ぶことができ、線の太さの表現なども可能です。

上野リチ 《壁紙「そらまめ」》昭和3(1928)年以前

さわるコレクション 上野リチ 壁紙「そらまめ」昭和3(1928)年以前
「さわるシート」の印刷:エンボス印刷(2 段階)(有限会社コスモテック)
金属の型を使って、紙の表面を押し出す、あるいは凹ませる技術。今回は高さの違う版で二回のプレスをかけることで、高さのバリエーションを出しています。

制作協力:京都教育大学(准教授 日野陽子、大学院教育学研究科1回生 太田風人、方山慎太郎、坂本湧一)

2017年度版

浅井忠《編み物》明治34(1901)年

さわるコレクション 浅井忠、編み物、明治34(1901)年
「さわるシート」の印刷:バーコ印刷(株式会社商工印刷社)
熱によって膨らむ樹脂パウダーを印刷面にふり掛けて、印刷する方法。艶のある手触りをもち、細い線も表現することができます。作品の主題である編み物の毛糸玉や、女性のふんわりとした衣服を表現するために、この印刷方法を選択しました。

福田平八郎《竹》昭和17(1942)年

さわるコレクション 福田平八郎、竹、昭和17(1942)年
「さわるシート」の印刷:熱入り型押し(有限会社コスモテック)
金属の型を使って、紙の表面を押し出す、あるいは凹ませることが出来る技術です。福田平八郎の描いた竹の平坦な印象を伝えるために、平滑な平面が得られる、この加工を選択しました。

河井寛次郎《打薬扁壺》昭和37(1962)年

さわるコレクション 河井寛次郎、打薬扁壺、昭和37(1962)年
「さわるシート」の印刷:エンボス印刷による点図(社会福祉法人日本ライトハウス)
壺の不思議な形を伝えることに焦点を絞り、いくつかの角度から見たときの形を表す図と、図の方向性を点字で紹介することが重要と考え、点字も印刷しているエンボス技術で図と文字を併記しました。

制作協力:京都教育大学(准教授 日野陽子、4回生 太田風人)