トーク&ディスカッション 「美術館のあたりまえって?」
見えない人が、見える人をアテンドする展覧会。作品を"見て"鑑賞するという行為自体に問いを投げかけた展覧会「大きな休息 明日のためのガーデニング1095m2」(せんだいメディアテーク、2008年)と、「てさぐる」展(秋田県立美術館、2014年)は大きな話題を呼びました。「感覚をひらく」もまた、視覚に障害のある方と共働した鑑賞プログラムの開発を通して、作品鑑賞そのものへの問いかけを行ってきました。本事業、2年目の締めくくりとして、この展覧会をディレクションした美術家、高嶺格氏をお招きしお話をうかがいます。
また第二部では、同展覧会でガイドを務めた光島貴之氏と、ユニバーサル・ミュージアム(誰もが楽しめる博物館)の実践に取り組まれている広瀬浩二郎氏を交えたディスカッションを行います。「障害のある方と共働すること」「当たり前を問い直す場のつくりかた」をテーマに、それぞれの立場からのお話を共有いただきながら、本事業の意義について改めて検証し、これからの展開についても考えを深める場にしたいと思います。
実施報告
- 日時
- 2019年3月12日(火)14:00~16:00
- 会場
- 京都国立近代美術館 1階講堂 交通アクセス
- 定員
- 60名(事前申込制)
- 参加費
- 無料
- 主催
- 新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業実行委員会
(事業実施中核館・京都国立近代美術館)
- 申込方法
- 参加をご希望の方は、下記の申込フォームに必要事項をご記入のうえ、お申し込みください。
*申込受付は終了しました
- 広報ちらし
- トーク&ディスカッション 「美術館のあたりまえって?」(PDF)
- お問い合わせ
- 京都国立近代美術館 075-761-4111(代表)
- 講師
- 高嶺格(美術家・秋田公立美術大学教授)
光島貴之(美術家・鍼灸師)
広瀬浩二郎(国立民族学博物館准教授)
- プログラム
- 14:00~14:05 趣旨説明
- 14:05~15:05 第1部 トーク
- 高嶺氏より、仙台と秋田での2つの展覧会を振り返りながらお話しいただきます。
- 15:05~16:00 第2部 ディスカッション・総括
- 講師紹介
- 高嶺格 たかみね・ただす
-
1968年鹿児島県生まれ。秋田公立美術大学教授。現代社会に潜む諸問題をテーマに、映像や音響を用いたインスタレーションやビデオ、写真、映像、造形物、パフォーマンスなど多彩なアプローチで作品を発表している。2008年に開催した個展「大きな休息 明日のためのガーデニング1095m2」(せんだいメディアテーク)では、「全盲のガイドにアテンドされながらツアーで鑑賞する」という仕掛けを持ち込んだ。
- 光島貴之 みつしま・たかゆき
-
1954年生まれ。美術家・鍼灸師。10歳のときに失明。1992年から粘土造形を、1995年よりレトラライン(製図用テープ)とカッティングシートを用いる独自のスタイルで「さわる絵画」の製作を始める。2002年、対話しながら絵を鑑賞するグループ「ミュージアム・アクセス・ビュー」の結成に参加。国内外での展覧会・個展、ワークショップ講師などを多数行っている。
- 広瀬浩二郎 ひろせ・こうじろう
-
1967年東京都生まれ。国立民族学博物館准教授。13歳の時に失明。専門は日本宗教史、触文化論。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、"さわる"をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。『目に見えない世界を歩く』(平凡社新書)、『知のスイッチ: 「障害」からはじまるリベラルアーツ』(共著、岩波書店)など、著書多数。