第2回フォーラム 「伝える・感じる・考える――制作者と鑑賞者の対話」

このフォーラムでは、公開鑑賞会とディスカッションを通して、見える人と見えない人の鑑賞体験の違いについて考えます。コーディネーターは、「無視覚流鑑賞」を実践する広瀬浩二郎氏。当日午後1時から3時半までは、10名の協力者が、2名のアーティストとともに作品を体験します。その後、見えない人と見える人の作品鑑賞について、意見交換を行います。鑑賞するのは、石原友明氏による点字を用いた絵画と、鈴木康広氏による《空気の人》。ひとが「関わる」ことによって意味や価値が生成、変化していくこれらの作品を通して、「見る」ことだけに依らない鑑賞体験の多様性について考えてみませんか。なお当日午後3時半以降は、来場者の方もアーティストとともに作品を体験できます。 実施報告

日時
2017年12月16日(土)13:00~17:00
会場
京都国立近代美術館1階ロビーおよび講堂 交通アクセス
定員
先着60名(当日12時より1階受付にて整理券を配布します)
聴講
無料
プログラム
13:00~14:00 公開鑑賞会
  • 石原友明(美術家)×鈴木康広(美術家)×10名の協力者(視覚に障害のある方と晴眼者)
  • コーディネーター:広瀬浩二郎(国立民族学博物館准教授)
14:00~15:30 公開ディスカッション
  • テーマ 「見えない人と見える人の作品鑑賞について」
15:30~17:00
  • 石原氏・鈴木氏とともに、両作家の作品を鑑賞できます。どなたでもご自由にお立ち寄りください。
講師紹介
石原友明 いしはら・ともあき
  • 1959年大阪市生まれ。京都市立芸術大学油画専攻教授。
    写真や点字、小説などさまざまな素材や技法を用いて、視覚芸術の根源や鑑賞体験の枠組みへの問いを投げかける作品を次々と発表している。主な個展・グループ展に、「美術館で、盲人と、透明人間とが、出会ったと、せよ。」(1996年、キリンプラザOSAKA)、「美術館へのパッサージュ」(1998年、栃木県立美術館)、「生存のエシックス」(2010年、京都国立近代美術館)
鈴木康広 すずき・やすひろ
  • 1979年静岡県浜松市生まれ。アーティスト。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。
    日常のふとした発見をモチーフに、誰もが知っているものや当たり前と感じていることを新鮮な感覚で捉え直す作品を制作。代表作に《空気の人》、《ファスナーの船》、《まばたきの葉》など。現在、彫刻の森美術館(箱根)にて個展「鈴木康広 始まりの庭」が開催中。
広瀬浩二郎 ひろせ・こうじろう
  • 1967年東京都生まれ。国立民族学博物館准教授。
    13歳の時に失明。専門は日本宗教史、触文化論。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、"さわる"をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。最新刊の『目に見えない世界を歩く』(平凡社新書)など、著書多数。
主催
新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業実行委員会
広報ちらし
第2回フォーラム「伝える・感じる・考える――制作者と鑑賞者の対話」(PDF)
お問い合わせ
京都国立近代美術館 075-761-4111(代表)
当日、最寄のバス停からの誘導が必要な方は代表電話までご連絡ください。