「CONNECT⇄_つながる・つづく・ひろがる」
身体感覚で楽しむプログラム 竹村京「Floating on the River」

身体感覚で楽しむプログラム 竹村京「Floating on the River」

 2021年12月、京都岡崎地域を中心に、アートを通して共生社会や多様性について考える「CONNECT⇄_」が開催されます。2020年度に始まったこの取り組みは、障害のある方もない方も、さまざまな感覚を使って芸術や文化、歴史を共に楽しみ、交流を深める機会を創出することを目的としています。
 京都国立近代美術館ではこのプログラムの一環として、写真やドローイングの上に刺繍を施した布を重ねたインスタレーションや、壊れた日用品を布で包んで刺繍する「修復シリーズ」を発表するアーティスト竹村京との共同プロジェクトとして、身体感覚を用いて楽しむことができる作品の展示とワークショップを行います。作品にふれることで、縫い留められた誰かの大切なものの記憶に思いをめぐらす機会となるでしょう。
実施報告

展示会期
2021年12月2日(木)~2022年1月16日(日)
会場
京都国立近代美術館 1階ロビー 交通アクセス
入場料
無料
お問合せ
本イベントについて、不明な点やお問合せはこちらからご連絡ください。

竹村京「Floating on the River」作家メッセージ

【作家プロフィール】

竹村京(たけむら・けい)
 高崎市在住。2000年から2015年までベルリン滞在。2000年、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリンにて研修。2004年から文化庁新進芸術家海外研修員としてベルリンに滞在。写真やドローイングの上に刺繍を施した布を重ねた平面のインスタレーションや、壊れた日用品を布で包み絹糸で刺繍する「修復シリーズ」を発表している。刺繍するという行為によって、個人的な記憶や他者との関係性など、失われたものを新たに再構築する。
 主な個展に、「どの瞬間が一番ワクワクする?」(ポーラ美術館、2018年)、「Which Second Was The Most Beautiful?」「Which Year Was The Most Beautiful?」ギャラリー・エベンスペルガー(ベルリン、2017年)、「なんか空から降ってくるよ」(タカ・イシイギャラリー、2016年)など多数。ヨコハマトリエンナーレ2020(横浜美術館、2020年)や第15回シドニー・ビエンナーレ(2005 年)に参加するなど、国際的に高い評価を獲得しながら活動の場を広げている。

【作家コメント】

 シドニーの雨降りの空港で、2020年1月29日、オーストラリアが中国からの入国を禁止した頃、日本でマスクが買い占められ始めた頃です。(実は私そんなことが日本で起こっているとは知らず、森林火災でPM2.5がやばいと聞いてオーストラリアの友人達にお土産でマスクを大量に持って行ったのですが、日本のニュースに詳しい友人たちにそのまま持って帰れと言われました、私が行ったタイミングで丁度雨が降り始めまして、うっかり土砂災害が起きたほど。おかげで火も収まり空気もクリーンに)あの日の空港の不穏さと恵の雨の組み合わせがこの作品の背景となっています。空港にはさまざまな人々が行き交いとどまることもなく過ぎていくことが、毎日使うものが私たちの生活をすぎて壊れていくこととつながるように思え、過去に色々な人々に使われ、壊れ、修復したものを思いだし縫いとめるこの作品をつくりました。

2021年9月 竹村 京



ワークショップ「壊れてしまったものと、その記憶をめぐって」

ワークショップ「壊れてしまったものと、その記憶をめぐって」

あなたのそばに、大事にしていたけれど壊れたり、割れてしまったものはありませんか。このワークショップでは、ひとりひとりの大切な“壊れもの”を持ち寄り、それにまつわる思い出をみなさんで共有します。そして竹村さんと共に布でくるんで縫い、作品にしてみましょう。壊れたものに触れ、過去の記憶をたどり、ほかの人の思い出にも思いを馳せながら、一緒に過ごしてみませんか。

日程
① 12月11日(土)10時~12時半
② 12月11日(土)14時~16時半
会場
京都国立近代美術館
講師
竹村京(アーティスト)
対象・定員
どなたでも、①②ともに10名まで(ウェブからの事前申込制・参加者多数の場合は抽選)
※オンラインで動画を閲覧できる環境にある方(事前に竹村さんからのビデオメッセージ(字幕付き)をご覧いただいたうえで、ワークショップにご参加いただける方。)
※10歳以下の方は、保護者の方と一緒にご参加ください。
※手話通訳や文字支援が必要な方、美術館の最寄り駅・バス停からへの送迎が必要な方は、参加申込の際にお知らせください。
参加費
無料
持ち物
身近にある壊れてしまったものをお持ちください。(陶器、おもちゃ、文房具など何でも構いません。ご自身の手で持って来ることができる大きさのものでお願いします。)
申込期限
11月26日(金)23:59まで
申込方法
「CONNECT⇄_」公式ウェブサイトに掲載される申込フォームからお申し込みください。フォームは11月8日(月)ごろにオープンする予定です。

「CONNECT⇄_」つながる・つづく・ひろがる

「CONNECT⇄_」つながる・つづく・ひろがる

「CONNECT⇄ 」(コネクト)は障害のあるなしに関わらず、さまざまな感性・特性を持つ人たちが芸術や文化、歴史に気軽にアクセスし、さらに参加した人たち同士がつながり合い、気づきを与え合う機会となることを目指すプログラムです。
 詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。

「CONNECT⇄_」つながる・つづく・ひろがる
(文化庁委託事業「令和3年度障害者等による文化芸術活動推進事業」)

会期
2021年12月2日(木)~19日(日)
会場
京都市内文化施設ほか
(京都国立近代美術館、京都市京セラ美術館、京都市動物園、京都府立図書館、ロームシアター京都、京都市勧業館みやこめっせ、kokoka京都市国際交流会館、京都文化博物館、京都芸術センター ほか)
主催
文化庁、京都国立近代美術館