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陶片 No.22

陶片からなにがみえるかな?

ウズ_ノ_カケワケ

テキスト:中村裕太

清水卯一は、柿釉の上に柄杓で灰釉をかけると斑点の模様ができると指摘している。こうした技法は、栃木県益子を拠点に作陶をした濱田庄司(1894-1978)の陶器にもみることができる。濱田はバケツに入れた釉薬を柄杓ですくい、リズミカルに皿や壺に流し込んで描いていく。確かな技術にもとづきながら、偶然にできた模様を取り入れている。一方で、この陶片の模様は意図的に渦を描かれている。筆で直接描いたものではなく、筆や柄杓から流し込んで描いたと思われるが、石黒はどのような方法でこの渦を描いたのだろう。

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濱田庄司《海鼠釉黒流描大鉢》
濱田庄司《海鼠釉黒流描大鉢》1962年、京都国立近代美術館所蔵

ABCコレクション・データベース vol.1 石黒宗麿陶片集

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