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陶片 No.15

陶片からなにがみえるかな?

サイコロ_ノ_メ

テキスト:中村裕太

石黒が作ったものか分からない。サイコロの「6」の裏は「1」で、「5」の裏が「2」、「4」の裏が「3」であるが、このサイコロは、「1」の裏が、「3」である。組み合わせがあべこべである。けれど、よくよく見ると、点の打ち方が少しずつ違う。「1」は点が大きいし、「5」や「6」は小さく押されている。しかも、何か鋭利な道具ではなく、木の枝かなにかで押されたようにも思える。石黒が何かの遊びに使ったのか、八瀬を訪れた子供がこしらえたのか。推察の域はでないが、手遊びでつくったとしても焼成まで行っているところをみると、何かしらに使われていたのではないか。石黒の作品によくみられる連続した「点」は《鉄文壺》にも見出すことができる。轆轤を回転させながらリズミカルに筆で点々を描いている。

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石黒宗麿《鉄文壺》
石黒宗麿《鉄文壺》1960-68年頃、京都国立近代美術館所蔵

ABCコレクション・データベース vol.1 石黒宗麿陶片集

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