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陶片 No.12

陶片からなにがみえるかな?

ミシマ_ノ_ホリ

テキスト:中村裕太

八瀬の主屋の囲炉裏の縁には、三島手の魚紋の陶片がアジの開きのように埋め込まれている。石黒は、出生地である富山県新湊を振り返り「漁師町ですね。海岸寄りの静かな町です。魚は新しいですね。みなとれたてのピチピチ生きるのを子供の自分に食ったわけです。」と『NHK映画』で語っている。三島は、李朝期に日本にもたらされた白化粧を用いた装飾技法である。粘土が少し乾いてきた時に線刻し、その溝に白化粧を施し、完全に乾く前にその化粧の表面を削り落としていく。この陶片とともに菱形が連続して彫られた素焼きの印花(判子)も見つかっている。陶片に合わせてみると、その大きさがおおよそ合う。《刷毛目蓋物》は、刷毛目の下をよく見ると、規則正しく彫られた三島手をみることができる。

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石黒宗麿《刷毛目蓋物》
石黒宗麿《刷毛目蓋物》制作年不詳、京都国立近代美術館所蔵

ABCコレクション・データベース vol.1 石黒宗麿陶片集

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