陶片からなにがみえるかな?
ホトケ_ヲ_ホル
テキスト:中村裕太
石黒の描いた仏様は、異国情緒溢れた顔立ちである。1940年1月に真清水敬四郎[三代蔵六](1905-1971)と中国東北部と朝鮮半島を旅している。朝鮮慶州の寺院で撮られた石黒のポートレートの背景には、陶製と思われる浮き彫りの仏様が壁面を埋め尽くしている。石黒の弟子であった清水卯一(1926-2004)によると、石黒は無神論者であったが、東福寺によく通っていたという。また二十代の頃には「佛山」を銘としていた。八瀬霊苑にある石黒の墓には、妻とうの墓とともに石黒が所有していた観音菩薩の石仏が移設されている。
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