京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

147 マルティン・キッペンベルガー《無題、シリーズ〈戦争悪〉より》

絵画、コラージュ、彫刻、インスタレーション、出版など多岐にわたって活動。シリーズ〈戦争悪〉は1983年に始まったが、本作は、ドイツ統一が果たされた後に制作された大画面の作品の一つである。本作では、画家が好んだ小鳥のモチーフが簡素に表現された戦車と組み合わせられている。それは、些細なものに過度の力を用いることを意味する「大砲で燕を撃つ」というドイツの慣用句を想起させる。子どもが話すナイーブな言葉のように響く「戦争、悪い(Krieg Böse)」というタイトルとも相まって、現実へのシニカルな眼差しを喚起する。

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