京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

139 ギュンター・ユッカー《大きな螺旋 I(黒)と大きな螺旋 II(白)》

彫刻、インスタレーション、キネティックアートと幅広く活動。ピーネ(no. 135)とマック(no. 137)が結成したグループ「ゼロ」には、1961年に正式に加入した。1957年に始まった釘を使ったレリーフ状の構成は、色彩と叙情性に依拠した同時代のアンフォルメルの絵画へのアンチテーゼだった。ユッカーは、光が当たる釘の一本一本が影を落とすことに気付き、光と影の複雑な戯れを探究した。こうして生まれた無彩色の支持体に釘を打ち付けた作品は、色彩によるイリュージョンを完全に排除し、釘の粗密や方向により空間や運動の感覚を喚起する。

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