京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

116 ヴォルフ・フォステル《コカ・コーラ》

映像やインスタレーション、パフォーマンスなど、先駆的な活動をしたドイツの美術家。芸術と生の合一を自らの信条とした。1954年には、ポスターを剥がしたり引き裂いたりする「デコラージュ(dé-coll/age)」と名付けた手法を開拓した。その特徴は、イメージの破壊ではなく、新たな再構成にある。本作でも、アメリカを象徴する大衆的な飲料のイメージの下に、別の広告から取った笑顔の親子や女性の顔の断片、また小さなカウボーイの姿が見える。切り裂かれたイメージは、大量消費文化を謳歌するアメリカの、政治的、外交的な緊張状態の暴露とも読める。

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