京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

108 コンラート・クラーフェク《兵士の花嫁たち》

ドイツ出身のクラーフェクは、タイプライター、靴型、ミシン、自転車などの日常的な工業製品を、極端な遠近法やクローズアップを用いて威風堂々と描いた。ユーモラスな佇まいや機械を擬人化したアイロニカルな表現は、マルセル・デュシャンやエルンスト(no.96)、マン・レイ(nos.92-95)などシュルレアリストたちとも共通する。また日常のありふれた製品に着眼した点では、同時代のポップ・アートにも類似する。本作は、シンガー社の製靴用ミシンをモチーフにしており、兵隊の軍靴を縫うところから「兵士の花嫁たち」と題されている。

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