京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

099  ジャクソン・ポロック《黒と白 No. 15》

アメリカ抽象表現主義の代表的な画家。1947年、床に広げた大きなカンヴァス全体を均質に覆うオールオーヴァーな様式と、刷毛や棒で絵具をたらしながら描くドリッピングという技法を開拓し、1950年に絶頂期を迎えた。その翌年に描かれた本作は、複数の色彩を塗布した以前の画面とは異なって黒一色で描かれ、ドリッピングされた黒は完全には統御されず部分的に滲んでいる。また本作は、具象的なイメージが現れた作品群の一つであり、所々に人間の顔のような形象が見える。こうした描写は、ポロックが新たな芸術表現を模索していたことを示す。

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