京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

095  マン・レイ《レイヨグラフ》

アメリカ出身のマン・レイは、ニューヨーク・ダダ運動に参加したのち、1921年にパリに移住してヨーロッパのダダイストやシュルレアリストのグループと交友を深め、写真を中心に制作した。レイヨグラフやソラリゼーションの技法を用いて実験的な写真を手がける傍ら、文筆家や芸術家などの肖像写真やファッション写真を雑誌などで発表した。本作は、印画紙と光源の間に物を置くことにより、カメラを使用せずに図像を写しとるレイヨグラフの技法による。人間の手と鳥、そして鳥の足跡のようなものを写した奇妙な組み合わせは、無意識のイメージを重視したシュルレアリスムと共鳴する。

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