京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

080 マリア・ブランシャール《ランプのある赤い静物》

20世紀初頭のパリで活動したスペイン出身の女性画家。マドリードで美術教育を受けた後、1909年にパリに出る。リプシッツ(no. 82)やフアン・グリス等との交流を通してキュビスムを吸収した。本作は、ブランシャールの死後に彼女のアトリエで発見されたが、当初はグリスによる作品と考えられていた。モチーフをつくる幾何学的な形態は、たしかにグリスからの影響を感じさせる。しかしその一方で、広がりのある空間、丸みのある形態表現、温かな色彩などが画面に解放感を与え、親しみやすい魅力を引き出している。

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